僕は、スピードに乏しいランナーで、かつ、スピード練習も大の苦手。
だから、平地で15kmビルドアップ走を行う時などは、とても憂鬱になる。
ビルドアップ走では、5km単位にスピードを上げていく必要があるのだけれど、そのたびに息が上がって、練習を止めたくなる。
「なんでこんな苦しいのに、スピードを上げなきゃいけないんだ」と心が叫ぶ。
それこそがスピード練習だと言うのに、実に全く駄目なランナーだなぁと思う。
しかし、そんなダメダメな僕を鍛えてくれるのが、峠走。
唯一ここでだけ、僕は、嘆いたり苦しんだりせずに、スピード練習ができる。
何故か。
強烈な下りの傾斜が、僕を後押ししてくれるからだ。
山頂に至るまで、つらい上り坂に苦しんだからこそ、尚更、僕はこの下り坂で心が楽になる。
この日も、上りはかなりつらかった。
気候に恵まれて、走りやすい状態だったというのに、それでも最後は苦しくて、かなり歩いてしまったほど。
しかし、その「地獄の上り」が、「極楽の下り」に繋がり、僕に、距離の錯覚をもらたしてくれる。
平地で20km超のペース走を行うより、断然楽に感じるし、後半でスピードを上げても苦にならない。
いやぁ、やっぱり本当に、峠走は最高だ。
そして。今回の下りロードでは、僕をさらに後押ししてくれるサプライズがあった。
麓まで、残り6kmあたりの地点だったろうか。
駆け下りて行く途中、すれ違ったランナーたちから、いきなり、僕の名前が呼ばれたからだ。
驚いて振り向くと、なんと、ベルリンマラソン2017で一緒だったランナーたちの顔があった。
おぉ!
なんというサプライズだろう。僕は大いに嬉しくなって、一緒に記念写真を撮ってもらった。
素敵な女性2人の真ん中で、ポーズを撮っているのが僕。
この写真ではわからないと思うけれど、にやけた顔のガニ股オッサン状態で、我ながら恥ずかしいw
しかし、そんな状態になるぐらい、僕は嬉しかったのだ。
この「ベルマラ・サプライズ」により、僕は、大いに元気をチャージした。
それは、峠走のラップタイムからも明白。
最近の峠走では、快適な下りでも、20km地点あたりを過ぎると疲れがでてきて、ラップがキロ5分台に落ちていたのだけれど…。
なんと、4分台をキープできている!
はてブロのスピードランナーの皆さんたちからみると、情けないラップに見えるかもしれないが、鈍足ランナーの僕的には、超絶ラップと言っていい。
それぐらい、ベルマラ・サプライズの効果は大きかったのだ。
結果。
峠走全体のラップも、久しぶりにキロ6分を切ることができた。実に嬉しい。
峠走後は、いつものように、麓の「さくらの湯」で、今回の峠走の疲れを癒やした。
いやぁ、ほんとに、いい練習になった。そして、最高のサプライズだったなぁ。
僕は、湯船の中で、そんな思いを噛みしめた。できれば、ずっと、余韻に浸っていたかった。
が、それも束の間。僕は早々に、さくらの湯を出た。
この日は、僕にとって重要な「アフター峠走」の計画があったからだ。
(以下、続く。)