amazon「ブラックフライデー」セールの日程が発表された。
11/21からの先行セールを前に、amazonのWebサイトには、予告バナーや特設ページが登場。
amazonにとって、2025年最終にして最大のお祭りで、今や年末の風物詩として、完全に定着している。
ただ、僕の記憶を辿ると…かつて年末の定番セールと言えば、「サイバーマンデーセール」だった筈。
それがいったいいつから「ブラックフライデーセール」に変わってしまったのだろう。
ふとそんなことを思ったので、今日は、サイバーマンデーとブラックフライデーについて調べてみることにした。
2012年から2018年まで、amazonは、年末に「サイバーマンデーセール」を実施していた。
それについて、僕は当時のブログ記事で言及しているので、間違いない。
しかしこのセールは、今ひとつ日本では定着しなかった印象がある。
それは、そもそもサイバーマンデー自体の意味がよくわからなかったせいではなかろうか。
もともと、サイバーマンデーは米国が起源。
感謝祭(11月第4木曜)で家族と過ごし、翌日の金曜はブラックフライデーで実店舗が大混雑する。
ブラックフライデーは、アメリカの伝統的な「実店舗の大セール日」で、感謝祭翌日の 金曜日 に開催される。
語源には諸説あるけれど、「客が殺到し、街が混雑して“黒く見える”」「小売が黒字になる金曜日」など、いずれも “金曜1日だけの特別な日” が本来の意味だった。
その週末を越え、「月曜にオンラインで買い物が集中する」というところから、2005年に誕生したオンライン特化型セールの日だ。
しかし日本では、感謝祭という前提イベントがないうえに、“月曜日にオンラインで買い物が集中する”という行動パターンも存在しない。
こうした背景の違いを考えると、サイバーマンデーが浸透しなかったのは自然な流れだったと感じる。
つまり、日本ではサイバーマンデーが“根づく土壌”そのものがなかったと言っていい。
そんな中、日本では、イオンやヨドバシなどの実店舗が、11月下旬頃から「ブラックフライデー」セールを始めた。
しかも1日だけのセールというわけではなく、週を越えても、年末特別セールというような意味合いで展開され、定着してきた。
そうなると、amazonも黙ってはいられなかったようだ。
2019年。
Amazon Japan はついに「ブラックフライデー」を名義として公式に開催した。
本来の意味で言えば、「ブラックフライデー」は、《実店舗の》セールである筈なのだけれど、もはやそんな意味は吹き飛んでいる。
期間は11月22〜24と短期間だったけれど、これは明らかに“転換点”だった。
この年、Amazon は、ブラックフライデー(11月末)&サイバーマンデー(12月初旬)と二段構えのセールを行ったが、ブラックフライデーの方が盛り上がったことで、年末セールに関する意識を変えたと想定できる。
翌2020年は、ブラックフライデーからサイバーマンデーまでを連続開催。
勢いを増すブラックフライデーセールが、サイバーマンデーセールを飲み込んでしまったようなイメージだ。
実際、amazonでは、この年を最後にサイバーマンデーはなくなり、ブラックフライデーに一本化されている。
しかも、その期間は年々長くなっていくばかりだ。
2022年:11/25〜12/1(7日間)
2023年:11/24〜12/1(8日間)
2024年:11/29〜12/6(8日間)
2025年:先行 21〜23日+本番 24〜12/1(10日以上!)
ブラックフライデーは、もともと「感謝祭の翌日となる金曜日だけの、実店舗での1日だけのセール」だった筈なのに、もはやその意義づけは影も形もない。
しかしまぁ、消費者にとっては、そんな意義づけなんて、どうでもいい話。
オンライン全盛の現代では、もはやその境界線は曖昧だ。
実店舗/オンラインの垣根が消えてしまい、セールも前倒し・長期化することで、“金曜日”という意味合いはすっかり形骸化してしまった。
実店舗のみならず、楽天、Yahoo!などのライバルが、軒並み大々的にブラックフライデーを展開してくるようになったため、amazonもブラックフライデーの前倒しや長期化で対抗するのは、必然と言えた。
ということで…。
かつてamazonが広めようとしていたサイバーマンデーは完全に消滅。
米国では、”Black Friday → Cyber Monday” の連続セール期間として残っているところもあるが、日本では、シンプルにブラックフライデーに統一されたということなのだろう。
こうして日本の amazon は、サイバーマンデーの看板を下ろし、ブラックフライデーへと完全に舵を切った。
今では “11月下旬=ブラックフライデー” という季節イベントとして定着し、セール期間は年々早く、そして長くなる一方だ。
来年以降、それはどんな形に進化していくのだろうか。
amazonの動きを追いながら、あらためて報告させていただきたい。


