池袋駅北口を出て、徒歩1分。
正確に言うと、30秒もかからないだろう。
駅からわずか数十歩の雑居ビル4Fに、その店は存在している。
エレベーターを出ると、そこはもう中国だった。
貼り紙の文字は、中国語だらけ。
店に入ると、そこには、中国の食品が、所狭しと並んでいた。
聞こえる言葉は中国語ばかり。
僕は、それだけでなんだかワクワクしてしまった。
まるで、中国に旅行しているような気分になったからだ。
中華気分を味わいたいなら、中華街に行けばいいじゃないかと思われるかもしれないが、それはちょっと違う。
中華街は、日本人の方が圧倒的に多いし、観光地になってしまっているから、《本場》の空気は味わえない。
しかしこの店は、もう、その空気感が圧倒的に中国だった。
今はまだ、海外旅行に行こうとしても、なかなか行けない状況になっているから、こういう店の存在はなんだか嬉しい。
店内の品揃えは、実に豊富だ。
中国の食材が大量に揃っているのは言うまでもないが、インスタント食品などもある。
特に麺類は充実のひとことだ。
飲料も多種多彩。
台湾ビールなども販売しており、飛ぶように売れていた。
生鮮食品もあるし…。
生きた魚も販売している。このあたりは、中国的だなぁと思う。
お菓子類もいろいろ。
そして、もちろん…。
餃子だって沢山あった。
中国では、基本的に水餃子が主食なので、それらの種類が大量に並んでいたが…。
焼餃子タイプの棒餃子も陳列されていた。
50個程度入ったものが、500円~700円程度で販売されていたので、価格もかなりリーズナブル。
いずれまとめて買い出しに来ようと思った。
店のムードは完全に中国なのだが、もちろん日本円で購入できるし、SuicaやPayPayなども利用可能だった。
店の一角には、「友誼食府」というフードコートがあり、これがまた魅力的だった。
そもそも僕は、このフードコート目的で訪問したのだ。
「友誼商店」で、すっかり中国気分に浸った僕は、いざ、本場の食も堪能しようと、フードコートに入った。