5月最後の週末。
そんな時期に開催された東京ウルトラマラソンは、奇しくも、トランプ大統領の来日スケジュールと重なった。
都内各所では、厳重な警戒が予想されたし、おまけに、日中の気温は30℃を超える予報。
そんな時に、総勢100人を超える大集団が、都内を走り回って大丈夫なのだろうか?
…などということは気にしていられない。
毎年、この時期の週末は「東京ウルトラマラソンの日」ということになっている。しかも、今年で7年目の開催なのだ。
大統領の来日ぐらいで、その伝統を崩せるものか。
ということで、今年ももちろん決行された。
土曜の昼には、100マイル(160kmの部!)レースがスタート、夜にはフル(100kmの部)のレースが続いた。
この暑い中、2日もかけて100km超のレースを走る人たちに比べれば、僕が走るハーフの部(50km)なんて、軽い軽い。
などという考えが、大きな間違いだと気づかなかった、日曜日の早朝7時。僕らは新宿の街から走り始めた。
以下は、写真を中心にご紹介させていただこう。
- スタート~外濠公園
- 第1エイド/アメ横・亀井商店
- 不忍池~鷗外荘(CP:チェックポイント)
- 浅草(仲見世~雷門)
- 第2エイド/大横川親水公園
- CP:両国国技館
- 第3エイド/浜町公園
- 日本橋麒麟像(CP)~東京マラソン旧コース
- 第4エイド/勝どき
- 豊洲市場(CP)へ!
- 第5~6エイド/辰巳の森海浜公園&お台場レインボー公園
- レインボーブリッジ・ラン!
- 高輪皇族邸(CP)~第7エイド/白金台
- トランプトラップ(六本木通り) ★動画あり
- ガリガリ君エイドの力でラストスパート!
- フィニッシュ!
スタート~外濠公園
東京ウルトラマラソンは、毎年コースががらっと変わるため、しっかり準備をしていないと、道がまるでわからなくなる。
公式の地図が用意されているので、それに従って走ればいいのだけれど、地図を一目見ただけではわからない点も多く、予習も必要。
しかし、僕は基本的にズボラな人間なので、今回も、そういった準備や予習をしないままレースに臨んでいた。
例年のことなのだけれど、コース試走をしているラン仲間がいるので、今年もその友人に引っ張っていってもらおうと思ったのだ。
しかし…その目論見は、スタート直後に崩れる。
僕はちょっとしたミスをしてしまい、かなり出遅れてしまったのだ。
そのため、ラン仲間を見失い、このあたりでは単独走に。
とても気持ちがいいコースの筈…だったのだけれど、道がよくわからないため、試行錯誤しながらのランになってしまった。
しかし、なんとか、後続参加者の皆さんに助けられ(結局他力w)、いつものメンバーに追いついた。
ここから先は、完璧にコースを把握しているラン仲間に引っ張ってもらい、なんとか完走することができた。
たっつあん(仮名)サンキュー!
第1エイド/アメ横・亀井商店
スタートから9kmの地点で、待望のエイドに辿り着いた。
このイベントに協賛してくださっている「亀井商店」の店舗前に設置された特設エイドだ。
この時点では、まだ午前8時ぐらいだったというのに、既に強烈な日差し。
しかし、そんな僕らを、エイドが救ってくれた。
この店のナッツ類やドライフルーツは最高に美味しいので、それがエイドで食べられるというのは本当に嬉しい。(以降のエイドでも継続的に提供していただいた。)
カステラやフルーツポンチもいただいて、元気になった僕らは、また走り始める。
不忍池~鷗外荘(CP:チェックポイント)
不忍池を眺めながら、上野公園地帯を抜けて、浅草方面へ。
その途中に、チェックポイント(CP)があった。
このイベントでは、道中にいくつかCPが設定されており、それを写真に収めることがタスクになっている。
今回は、文豪森鴎外の旧居が保存されているというこのホテルが、ひとつめのCP。渋い選定だ。
浅草(仲見世~雷門)
ギラギラした日差しの中、スカイツリー方面を目指して走る。
浅草、仲見世通り。
この時間は、まだ殆どの店が開いておらず、ガラガラだっため、余裕で駆け抜けることができた。
しかし、数時間経ったら、外国人観光客なども含めて、大いに賑わう筈だ。
雷門前で記念撮影。
僕らは、スカイツリーに向かって走り…。
その麓(?)にある「おしなり橋」を撮影。
そう、ここがCPだからである。
《スカイツリーそのもの》ではなく、《おしなり橋》というところが、これまた渋い。
第2エイド/大横川親水公園
この公園は、3年前のコースにも含まれていた。
その時は、今回と逆方向の入口から入り、30km過ぎに通過となったため、通過したのは、午後。
そのため、同日に園内で開催されていた、ゆるキャラだらけのイベントに巻き込まれ、走るどころか、歩くのさえも困難だった苦い記憶がある。
そして…そんな「ゆるキャラ」イベントは、今年も東京ウルトラと重なっていた。
これだ。
僕は、この開催を知った時、何ともブルーな気持ちになったが、それは杞憂に終わった。
今年の僕らは、ゆるキャラアタックを逃れることができたからだ。
僕らは、イベント開始時刻である10時より前に、公園へ到達。
そのため、まだ、ゆるキャラたちの姿が見えず…。
こんなぬいぐるみを見かけたぐらいだった。
この日はとても暑かったため、ゆるキャラ(の中の人たち)も、イベント開始までは、きっと、どこかで涼んでいたのだろう。
イベントのブースゾーンを抜けると、待望のエイドが待っていた。
僕らはここで、サンドイッチやジュースを補給。ふたたび先へと進む。
CP:両国国技館
次のCPは、シンプルに、両国国技館の写真。
この日は、トランプ大統領が登場する予定になっていたため、警備体制がハンパじゃなかった。
入口では、厳重な荷物のチェックが謳われていた。
ペットボトルなど、飲料持ち込み禁止。国技館では風物詩となっている「座布団投げ」も退場措置の警告がデカデカと表示。
いやはや、まさに厳戒態勢だ。
こういった情景はなかなか見ることができないだけに、ある意味、貴重。
流石は東京ウルトラマラソン。そのコース選びが実にタイムリーで絶妙だなぁと、僕はあらためて感服した。
そんなことを思いながら、僕らはまた走り続けていく。
第3エイド/浜町公園
第3エイドに到達!
冷奴に、冷えたマスカット。最高すぎる。チキンナゲットも美味しかったなぁ。
このエイドで、スタートから約20km。いやはやほんとに暑かったけれど、みんなと一緒だし、とにかくエイドが最高なので、楽しく走ってこられた。
まだまだこの時点では余力があると思っていたのだけれど…。
日本橋麒麟像(CP)~東京マラソン旧コース
日本橋の中央にある麒麟のモニュメントが第4CP。
ここからしばらくは、東京マラソンの旧コースを辿っていく。
歌舞伎座前。
時刻は10時を過ぎていて、だんだんと人通りが多くなってきていた。
第4エイド/勝どき
勝どきエイドに到達!
いやぁ、タピオカミルクティー、美味しかったなぁ。
まさかエイドでこれが呑めるとは。
いなり寿司やドライフルーツも最高で、僕は大いに感激した。
このエイドで、スタートからちょうど25km。あと半分!
しかし…ここからが僕らの正念場だった。
豊洲市場(CP)へ!
次のCPは豊洲市場…。ということで、最初は楽勝かと思った。
豊洲市場はとても大きく、かなり前からその姿を確認できたからだ。
しかし、このイベントはそんなに甘くなかった。CPとなっていたのは、市場の「外観」ではなく、その屋上となっていたからだ。
しかも、エレベーター禁止(!)のルールになっていたため、僕らは、階段を延々と上らなければならなかった。
CPとなっていた屋上緑化広場。
いやはや疲れた。疲れたなぁ。
階層としては、5階建てビルの屋上となるため、めちゃめちゃ高いというほどではないが、25km超走った身体には、それでも結構応える。
ここからは、東西南北さまざまな情景を堪能できたようなのだけれど、そんな心の余裕もなく、僕はすぐにビルを下り、エイド目指して走った。
第5~6エイド/辰巳の森海浜公園&お台場レインボー公園
第5エイド。辰巳の森海浜公園。
ここでは、そうめんが登場。しっかり冷えていて、とっても美味しかった。亀井書店のナッツ、フルーツ類も満載。最高だ。
僕らは大いに元気をもらったのだけれど、しかし、それでも身体はかなりきつくなってきていた。
走った距離は30kmを超えており、日差しもますます強烈に。
そして、お台場地区には、日陰が殆どなく、炎天下。いやはやこれは地獄だ。
しかも、次のエイドまでは6km。
元気な状態なら、あっという間の距離だけれど、ここにきての6kmは、本当に長く感じた。
しかしなんとか…。
第6エイド、お台場レインボー公園に到達!
ここまでの道程が本当に苦しかったので、やっと辿り着いた時には、めちゃめちゃ嬉しかった。
東京ウルトラのエイドは、食べ物が素晴らしいだけじゃない。
ボランティアをしてくださっている、ラン仲間の笑顔や励ましが、とにかく最高で、それがあるから走れる、と言ってもいいほど。
それは、これまでのエイド全てでそうだったし、ここでももちろん同じだった。
だから僕は、どんなに暑くても、つらくても、こんなに走ってこられたのだ。
レインボーブリッジ・ラン!
エイドを超えると、このイベントの大きな山場である、レインボーブリッジコースに突入した。
このコースは《ノースルート》と《サウスルート》があり、ルール上は、どちらを走っても自由。
僕らは、お台場の激しい日差しでかなり消耗していたため、この選択は非常に重要だった。日差しの少ないコースは、いったいどっちなのか。
そんな僕らを助けてくれたのも、エイドのラン仲間だった。
《ノースルート》の方が日陰が多い筈、というアドバイスをくれたのだ。
ということで、僕らは、右側、ノースルートを選択。
走り始めは、日差しが結構あって、「あれ?」と思ったのだけれど、この直線の先は、ずっと日陰になり(写真を撮り忘れてしまったけれど…。)僕らは、実に快適に走れた。
ラン仲間に感謝だ。
レインボーブリッジから見た情景。
こういった景色にも力をもらって、僕らは、さらに進んでいく。
高輪皇族邸(CP)~第7エイド/白金台
レインボーブリッジを超え、高輪地区に入ると、細かいアップダウンが多くなり、それが僕らをさらに苦しめた。
しかし、ここまで来たら、あとは気力を振り絞るだけ。
最終チェックポイント。高輪皇族邸。
平成天皇の退位後の仮住まい(旧高松宮邸)とのことだ。
皇族邸の前には交番があり、当然、十分な警戒態勢がとられている。
僕らは、怪しい人に思われないように、門の写真だけ撮って、早々に退散。
そして…。
白金台エイドに到達!
スタートから数えて、7つめのエイドだ。
東京ウルトラでは、それぞれのエイドごとに、趣向を凝らした食べ物、飲み物が用意されている。
ここでは、ガスパチョ(スペイン料理の冷製スープ)が出てきて驚いた。
パイナップルもおにぎりも美味しくて、感激。いやぁ、ここまで走ってきて良かったなぁ…と思った。
フィニッシュまで、残り7.4km。
エイドなしで乗り切るには結構長かったし、身体もバテバテだったが、あとは、できるだけ早くゴールしたい!走り終えて楽になりたい!
そう考えていた僕らに、思いがけないトラップが待っていた。
トランプトラップ(六本木通り) ★動画あり
なんと、コースが警官によって封鎖されている!
この六本木通りは、上に高速道路が走っているため、歩道橋などもなく、迂回も困難。
いったい何ごとなんだ?と思っていたら、ちょうどこの時間、トランプ大統領の一行がここを通ることになっていたことが判明。
となると…無理しても仕方ない。
一過性のことだし、なかなか見られるシーンでもないため、僕らは一休みして(疲れていたので、むしろ好都合だったしw)、通り過ぎるのを待つことにした。
その瞬間は案外早くやってきて…。
おぉ、来た!
トランプ大統領を乗せた車と、護衛車の団体がやってきた!!
大統領がどの車に乗っているかはよくわからなかったが、黒塗り車だらけの迫力は、実に凄まじかった。
ただ、写真だと、そのイメージがちょっと伝わりにくいかもしれない。
こういうときは動画に限る。
今回、同行していた友人が、この瞬間のムービーを撮っていたので、許可をもらって、YouTubeに上げさせていただくことにした。
こうやって動画で見ると、やっぱり凄い迫力、威圧感だなぁと思う。
貴重な瞬間に立ち会えて、感激だ。
ガリガリ君エイドの力でラストスパート!
トランプトラップで10分程度ゆっくり休んだにも関わらず、僕らは、かなり疲れていた。
最後のエイドから7km超の距離を、何も補給せずに走れるほど、僕らに余力は残っておらず、そのため、「自主エイド」を設定することにした。
そう。このイベントでは恒例の《ガリガリ君エイド》だ。
猛暑のせいか、ガリガリ君は猛烈に売れているようで、最初に入ったコンビニでは売り切れ。2軒目でも4つしか残っていなかった。
僕らは、ちょうど4人だったので、それを買い占めて…。
ガリガリ・カルテット!
いやぁ、美味しかった。ほんと、美味しかったなぁ。東京ウルトラのラストはやっぱりガリガリ君に限る。
ということで、最後の力をもらって…。
フィニッシュ!
ゴール会場では、冷たいビールが僕を迎えてくれた。
手製の冷やし中華など、料理も満載。
本当は、他にも色々と食べたり呑んだりしたかったのだけれど…。
僕は、このあたりからちょっと熱中症気味になっていたようで、なんとかこれを食べるのが精一杯。
でも、今年も最高に素晴らしく、楽しいイベントだった。
来年も、また、是非、絶対に参加したい。