走れない日々が続いている。
ランナーとしてはもどかしい限りなのだけれど、でも、仕方ない。
来年の東京マラソンまでは、まだ半年ある。
今は、じっくりと身体を立て直し、骨折を完治させることが先決だ。
整形外科医の先生から、ランニングは禁止されているが、歩くことは問題ないと言われたため、最近はもっぱら夜明け前のウォーキングを行っている。
今日も、例によって夜明け前から家を出た。
もう9月も半ばで、午前3時台だというのに異常に蒸し暑い。
それもその筈、気温こそ26℃だが、湿度はなんと91%もあった。
南から、ねっとりとした風が吹いてきて、なんだか不快だ。
ランニングの練習になるわけでもないし、こんな時間に歩く必要なんてないじゃないか?
などと思いながら僕は、浮かない心でウォーキングを始めた。
ただ、そんな僕の心は、天空を眺めた瞬間に翻る。

東の空には、新月に向けて欠けゆく有明月。
そんな月の上空には、木星が輝いていた。
この写真ではちょっとわかりにくいのだけれど、肉眼でみると、月に寄り添う感じで木星が光っていて、儚い月を支えているかのようだった。
夜明けの空では、派手な金星(明けの明星)が目立つことが多いのだけれど、どっこい、木星だって捨てたもんじゃない。
木星は、別名「瑞星(ずいせい)」と呼ばれる縁起の良い星なのだ。
儚い月に寄り添って輝く姿を見ていたら、なんだか僕も励まされた気がした。
月は、あと数日で新月となって見えなくなるが、その翌日からは1日ごとに再生される。
僕もいつか訪れる再生の日を目指して、歩き続けていこうと思う。
