大正11年(1922年)創刊。
昨年、100周年を迎えていた伝統ある雑誌が、その幕を閉じる。
「週刊朝日」が、今年の5月末をもって休刊となることが決まったのだ。
《休刊》という表現にはなっているけれど、復活することを前提にしているわけではなく、実質的には《廃刊》と言っていい。
1950年代には、毎週100万部以上売れていた雑誌が、今や、たった7万部台*1まで落ち込んでしまった以上、この決断もやむを得ないところかもしれない。
昨年は100周年だったが、その節目がなければ、もっと早くから休刊していた可能性もあったのではないかと思う。
僕は、若い頃定期購読をしていたほど好きな雑誌だったが、最近は、すっかり買う機会が少なくなっていた。
だから、この休刊について偉そうに語る資格はない。
休刊を惜しむなら、その前にちゃんと購入してろよ!と思うからだ。
ただ、好きな雑誌だったことは間違いないので、少しだけ、その思い出を語らせて欲しい。
「週刊朝日」は、新聞社系の硬派な雑誌だと思われるかもしれないが、僕にとっては、コラムやエッセイが特に魅力的だった。
1976年から2021年末まで続いた、看板連載「山藤章二のブラックアングル」や、1987年から今まで続いている、東海林さだおの「あれも食いたい、これも食いたい」が、とにかく好きで、毎週貪り読んでいた時代もある。
今、本棚から発掘できたのは、これだけなのだけれど、実家の押入には、丸かじりシリーズなど、まだまだ大量に残っている筈。
それぐらい僕は、このふたりの連載がお気に入りだったのである。
「週刊朝日」は、購入しても読み捨てにするのが常だったが、どうしても捨てられないものもあった。
2003年11/28号(中島みゆきさんインタビュー掲載号)
2020年 1/31号(筒井康隆先生インタビュー掲載号)
2021年 2/12号(村上春樹先生特集号)
この3冊は、僕の一生の宝物だ。
このエントリーを書いた時は、あと2年で雑誌が終わってしまうとは、思いもよらなかったなぁ…。
*1:74,125部(2022年12月現在)