先週末。
板橋Cityマラソンの事務局から手紙が届いた。
今年の3月に、僕が出走する予定だった大会に関する手紙だ。
この大会は、新型ウイルスの蔓延により、残念ながら中止になってしまったが、それに伴う対応となっている。
内容物は…。
参加賞のオリジナルウエストポーチ、参加ご案内、及び協賛・協力団体の提供品だった。
個人的には、オリジナルのウエストポーチが嬉しい。
マラソン大会の参加賞としては、Tシャツやタオルなどが一般的なのだけれど、そういったものは(ある程度長い間走っていると)溜まりまくってしまうからだ。
実際、僕の家の押入には、いざもらったはいいが、使いきれない記念Tシャツやタオルが溢れて、処分に困るほど。
もちろん、Tシャツの方がいいという人もいるだろうから、これは、好みの問題だと思うけれど。
協賛品として、「結ばない靴ひも」である《キャタピラン》が入っていたのにも感激。
このキャタピランは、以前から気になっていて、Webで買おうと思ったこともあった。
ただ、結局は買い損なっていたため、今回入手できたのは嬉しい。有効に活用させてもらおうと思う。
そして。
事務局からのお詫び文も同封。その下部に、QUOカードが添付されていた。
僕は、1,000円か2,000円程度だろうなぁと思いつつ、それを開いてみると…。
4,300円分(!)も入っていた。
フルマラソン参加料金(8,600円)の半額だ。この返金額は、大会Webサイトでも告知されていたようだけれど、僕はそれを見逃していたので、望外の感激だった。
事務局からのお詫び文には、以下のように書かれていた。
今大会の決算報告については、監査実施後、大会ホームページにて公表いたします。
フルマラソン参加料金の返金額である4,300円は、中止に際してかかった経費を除いたものということで、それについては監査を実施し、決算報告も行ってくれるという。
実に誠意ある対応だ。
次大会は令和3年3月21日(日)を予定しております。みなさまのご参加を心よりお待ちしております。
ならば次回も絶対参加させてもらおう!と、思った。
僕は、板橋Cityマラソンの対応に感謝しつつ、ふと、別の思いもよぎった。
板橋Cityマラソンの1週前に開催予定、そして僕が出走予定だった「静岡マラソン」実行委員会の対応だ。
この大会からは、3月末の時点で、参加賞等の一式が送付されてきていた。
Tシャツ、そしてフィニッシャーバスタオル…。
前述させていただいたとおり、僕は、Tシャツやタオルは余りまくっているし、そもそも、フィニッシャータオルは、あくまで「完走した証明」の記念品なのだから、気分は複雑だ。
実行委員会からの手紙も素っ気なく、シンプルな内容。
中止に関する数行のお詫びとともに…。
ランナーのみなさまにはご用意しておりました参加賞をお贈りいたしますので、ご査収ください。
と書かれているだけ。
返金は一切なく、監査や決算報告を行うなどの案内もない。
僕は、その事務的な内容が、非常に納得いかなかった。
静岡マラソンの参加料は12,000円で、板橋Cityより3,800円も高額。しかも、今大会から値上がり(!)しているのである。それでいて、なんで、1円も戻ってこないんだ!
もちろん、大会毎に事情は異なると思う。
静岡マラソンは、ナンバーカードやチップなどを事前送付済みで、そういった経費がかかっているし、そもそも、規約にある以上、返金不可なのだろうと思う。
その規約とは、こういった内容。
主催者の責によらない事由(地震・風水害・降雪・事件・疾病ほか)で大会が中止になった場合、参加料の返金等は一切行いません。
これは、静岡マラソンに限らず、大抵のマラソン大会規約に記載されているものだ。
いわば、暗黙の《お約束》といったようなものだから、事前にそれを確認しているランナーは、それほど多くないのでなかろうか。
この規約のうち、地震や台風、降雪などによる中止であれば、僕は、一切返金なしというのも理解できる。
東日本大震災の時は、多くの大会が数ヶ月以上にわたって中止になったが、あの時は、参加料を義援金として使うという大会が殆どだったため、その理由に納得した。
近年は、台風や降雪などに伴う中止も増えているが、それらは大会開催日《直前》に起きるものだから、準備も全て終わっているだろうし、仕方がないとも思う。
しかし。
今回の新型ウイルスに伴う対応は、これらと事情が異なる。
静岡マラソンは、大会3週間前の中止決定。ならば、十分《特別対応》を考慮できる時間もあった筈だ。
しかし、何ら特別措置が行われることはなく、参加賞だけを送付して、監査や決算報告もしないというのは、どうにもこうにもモヤモヤする。
静岡マラソンだけじゃない。
3月以降に開催予定だったマラソン大会は、概ね中止が決まっているが、それらの殆どは、《規約に基づき》《返金一切なし》の対応を貫いているのだ。
現状の日本を取り巻く環境は、「マラソン大会どころじゃない」から、2ヶ月先、3ヶ月先の大会が中止になるのも、やむを得ないと思う。
ただ、そんなに早く中止決定をするならば、経費も殆どかかっていない可能性があるのに、一切返金なし、何の対応も決算報告もしないというのは、やっぱりどうにも不満が残る。
もちろん、規約がある以上、文句は言えないのだろう。
しかし、たとえ返金はできなくとも、「来年の参加料を割り引く」等の特別対応を検討してくれたっていいじゃないか。(一部、そういった大会もある。)
今後、特約がない大会に申し込むのは二の足を踏んでしまいそうだ。