5月10日の夜からクラウドファンディングが開始された、Unihertz TiTAN slim。
Unihertzのガジェットは、毎回、凄まじい勢いで出資が集まるのだけれど、今回も、凄かった。
クラウドファンディングの《場》を提供する、Kickstarterの情報によれば…。
なんと、プロジェクト開始から、わずか6分で出資目標を達成し、開発が決定したとのこと。
クラウドファンディングの主旨としては、「資金も集まったし、さぁ、これで開発だ!」ということになるのだろう。
しかし、それはあくまで建前なんじゃないかという気がしている。
Unihertz OfficialのYouTubeチャンネルでは、このように紹介されているからだ。
動画のタイトルは「Kickstarterで正式に利用可能:Titan Slimを今すぐ予約してください!」となっている。
えっ。予約?出資じゃなくて?
概要欄に書かれている文章は、さらに露骨。
私たちの新しい仲間であるTitanSlimがついにKickstarterで発売されたことを皆さんにお知らせできることをうれしく思います! 是非、お得な価格で事前注文してください。
Kickstarterで発売?事前注文?
いったいいつから、Kickstarterは販売サイトになったのだろう。
これで僕は確信した。
Unihertzは、単に、クラウドファンディングというプラットフォームを利用しているだけで、これは、新しい形の予約販売なのだ。
そう考えると、開発前(?)に商品レビューが山ほど上がっているのも納得だし、計画通り発売される(だろう)というのも合点がいく。
これまでの経緯を考えれば、そんなこと言われなくてもわかってるよ!と思う人もいるだろうし、Unihertz以外にも、同様の形でクラウドファンディングを利用している会社は山ほどあるだろう。
ただ、商品開発が伴うスマートフォンのクラウドファンディングとして、Unihertzほど成功した例はないのではなかろうか。
プロジェクトの開始前に、レビューが出回りすぎるせいで、まったく新しい商品が開発されるのだという《ワクワク感》がないのは、ちょっと残念。
ただそれは逆に、出資さえすれば、まるで予約注文をしたかのように、商品がゲットできるという《安心感》をもたらしてくれる。
TiTAN slimが、例えば普通に予約販売商品としてリリースされていたら、ここまで話題になることはなかっただろう。
Unihertzは、Kickstarterという場を巧く使って、《クラウドファンディング式予約注文》という販売スタイルを確立したのだ。
敬服。