魔が差したとか思えない。
なんで今年の大田原マラソンにエントリーしてしまったのだろう。
ここ1ヶ月の間、僕は、ずっと後悔の念を抱いていた。
いいレースであることは間違いない。
フルマラソンの定員は3,500人と少なく、ゆったり走れる。エイドには自分専用のスペシャルドリンクが置ける。
開催地である那須は、都心から日帰り可能で、宇都宮経由。すなわち、餃子打ち上げも楽しめる。
運営もコースも文句なく、だから僕は、かつて何度も出走した。
初出場した時の感激は、今でも忘れない。
それほどまでに素晴らしいレースなのだけれど、今の僕にとって、大きな障害がある。
それは…。
制限時間が4時間。
ということだ。
僕は、一昨年の春まではサブ3.5ランナーだったのだけれど、その後、座骨神経痛に苦しんでからは、サブ4するのも四苦八苦している状態。
そんな実力で、《制限時間が4時間》のレースにエントリーするなんて、無謀すぎる。
ただ…。
申し込んだ時点では、今シーズンの大きな目標として、挑むつもりだった。
北海道マラソンを足がかりにして、3戦目のレースとすれば、ホップステップジャンプで、何とかこなせると思っていたのだ。
しかし、エントリー直後、僕はやっぱり後悔する。
加えて、仕事的な関係で、11/23に確実に出走できるかどうかも微妙な状況になってきた。
…ならば無理して出走することはない。
今の自分の実力にあったレースで、力試しをしていく方がいい。
そう思った僕は、7月中旬の段階で出走を断念。このシステムを使うことにした。
ゆずれ~る、だ。
これは、ランニングポータルサイトである「RUNNET」が、独自に設けているシステムで、以下のような仕組みになっている。
なかなか合理的なシステムで、考えた人は素晴らしいと思う。
「出走できなくなった人」「エントリーできなかった人」どちらにもメリットがあるし、RUNNETは、右から左に出走権を移動させるだけで、双方から手数料をとれる。
三者にとってWIN-WIN-WINの画期的なシステムなのだ。
対象となる大会は限られているが、大田原マラソンは、この「ゆずれ~る」対象大会だったので、僕は、《お譲り申請》を提出。
これで一安心、と思っていた。
が…。そうはいかなかった。
なぜか今年の大田原マラソンは非常に人気がなく、募集開始後、いつまでたっても《通常の募集枠定員》が埋まらなかったからだ。
エントリー終了まで残り2日の段階でも、フルマラソン定員を大きく割って、800人以上の余裕を残していた。
通常の募集枠がいっぱいにならなければ、「ゆずれ~る」システムは起動しない。
例年、締切前に定員オーバーとなるレースなのに、いったいなぜなんだ。
僕は大いに嘆いたが、どんなに嘆いても、参加者は増えず、結局…。
700人もの定員割れの状態で、エントリー終了。
ということで、「ゆずれ~る」枠の募集が始まったのだけれど、その期間を見て愕然とした。
なんと、「ゆずれ~る」募集期間は、8月末終了となっていたからである。
たった1週間しかないって、どういうことなんだ!
僕は、RUNNETの事務局に文句を言いたくなった。
これだけ人気がない大会だと、「ゆずれ~る」枠で申し込む人だって、そうそういないと思ったからである。
僕は、いったん出走権を手放したものの、もしも買い手がつかなければ、どうなるかというと…。
※出走希望者が現れず、ゆずれ~るエントリーが終了した場合は譲渡不成立となり、出走権は移動しません。
結局、出走権は僕のところに戻って来てしまう。
キャンセル扱いにはならないのだ。
これはWIN-WIN-WINなんかじゃない、結局、RUNNETが損をしないだけのシステムじゃないか!
そんな八つ当たり的な思いさえ抱くようになってしまった。
僕は、先日座骨神経痛が再発して、北海道マラソンさえも回避してしまったような状況。
だから、たとえ仕事の問題が解決しても、大田原マラソン出走など絶対に無理だ。
僕は、大田原マラソンにエントリーしてしまった自分の馬鹿さ加減を大いに呪った。
今シーズンは、何もかもがうまくいかないなぁ。そう思って泣きたくなった。
しかし…。
昨晩、僕のところにこんなメールが届いた。
おぉぉ!「ゆずれ~る」成立だ!!
僕は、望外のメール連絡に、思わず快哉を上げたくなった。
どんなに人気がない大会でも、締切後に申し込みたい人はいるんだなぁ…。
僕は、そんな(見知らぬ)ランナーの方に感謝した。
そして、僕の出走権を移動処理してくれたRUNNETにも感謝。
「ゆずれ~る」は、やっぱり、WIN-WIN-WINの素晴らしいシステムだwww