「ペンタゴン・ペーパーズ」は、アメリカの新聞社を巡る、スクープ合戦の物語。
そのメインとなるのは、「ワシントン・ポスト」紙であるが、「ニューヨーク・タイムズ」紙の存在も非常に重要。
ニューヨーク・タイムズは、地方紙という位置づけではあるが、米国を代表する新聞と見なされている。
トランプ大統領は、フェイクニュース紙と呼んで敵視しており、そのことが逆に、この新聞の存在感を際立たせているとも言える。
僕は、ニューヨークという街が大好きで、若い頃から、毎年、秋の休暇を使って通い続けていた。
ニューヨークに行ったときは、必ず、朝のデリで、ニューヨーク・タイムズとコーヒーを買って、その場で読み、えせニューヨーカー気分に浸るのが常だった。
ランニングに目覚めてからは、すぐ、この街を走りたくてたまらなくなったので…。
2011年のニューヨークシティマラソンで、それが実現した時は、本当に嬉しかった。
走り始めて以来、わずか1年目の秋。僕にとっては、勝田・北海道に続く、3回目のフルマラソンだったから、感激もひとしおだったのだ。
とにかく最高の舞台、最高のレースで、その興奮は、レース終了後も続いた。
4時間59分台までに走り切れれば、レース翌日、「あの」ニューヨーク・タイムズ紙に名前が載る!ということを聞いていたからだ。
僕は、興奮冷めやらぬまま、翌朝早々ニューヨーク・タイムズ紙を買いに行き、自分の名前をそこに見つけて歓喜したことを覚えている。
もちろん僕は、それを日本に持ち帰ってきていたので、昨日、久しぶりに開いてみた。
思い出の新聞紙面は、すっかり色褪せてしまっていた。
それはそうだろう。僕がニューヨークシティマラソンに出走したのは、2011年。あれから、もう6年半もの月日が流れているのだ。
紙という媒体は、とても儚いが、でも、それが逆に、時間の重みを感じさせてくれる。
ニューヨークシティマラソン完走者の記録は、別冊として組み込まれている。
掲載されていたのは、「4時間台(4:59:59)」までのランナーだったので、全完走者の記録ではないとはいえ、それでも、24ページのボリューム。圧巻だ。
掲載はタイム順。
この時、僕は、3時間50分台で走っていたので、そのタイムのところにしっかりと掲載されている。
今朝、あらためて確認してみると、レースの感慨が甦ってきた。
あぁ、またこの新聞に自分の名前を載せたいなぁ…。色褪せた紙ではなく、刷りたての紙面に、自分の名前を見つけたい。
今年はもう無理だけれど、来年実現させるべく、今から計画を練ってみよう。
来年の「ニューヨークシティマラソン2019」は、奇しくも、第50回の記念大会。例年以上に華やかな大会となる筈だ。
そう考えると、今から、いてもたってもいられなくなってきたw