先週半ば。こんなメールが届いた。
メールの発信元は、ニューヨークシティマラソン事務局。
11月に開催される、2025年大会のエントリーが開始されたという内容だった。
ニューヨークシティマラソンの抽選倍率は、東京マラソンの倍率(約10倍)を凌ぐとも言われているので、たとえ申し込んだところで、落選する可能性は高い。
僕は、過去2回ニューヨークシティマラソンに出場しているが、抽選で当たったことは一度もないのだ。*1
ただ、僕にとってニューヨークは特別な都市。人生に欠かせない都市。
2001年9月11日。
「あの日」に僕はマンハッタンにいて、味わった衝撃は一生忘れないものとなったし、それからは、毎年必ず訪れていた。
ランナーになって以降、ニューヨークシティマラソンを初めて走った時の感動もひとしおだった。
だから僕は、機会さえあれば何回でも出走しようと思い続け、毎年エントリーだけは行ってきた。
今の身体の状態では、フルマラソンどころではないのだけれど…
でも、やっぱりエントリーだけは行っておこう、と決意。
ということで、ひととおりエントリーの手続きを進めるべく入力してきたのだけれど、最後の画面で、ハタと指が止まった。
そこまでの入力はスムーズに進んで、あとは「PLACE YOUR ORDER」のボタンを押すだけ。
当選しない限り、請求金額はゼロ*2なので、ためらう必要はない筈だった。
しかし…。
IMPORTANT部分に記載されていた「$315.00」の表記を見て、僕の思いは大きく揺らぐ。
もしも当選した場合、僕のクレジットカードから、315ドルが自動的に引き落とされるというのだ。
これまでのエントリー時は気にしたことがなかったし、どうせ外れていたので、意味がなかったのだけれど、いざ目に留まってしまったら、どうにも気になってきた。
超円安時代の今、これが日本円でいくらになるかと調べてみたら…。
47,983円!
ほぼ5万円ではないか。
抽選結果発表の頃までに、少しでも円安が進めば、5万円を超える可能性も十分。高い。高すぎる。
2022年大会に出走した時は、エントリー費用が「295$」と少し安かった上に、日本円換算でも3万5千円程度だった。
それに対して、この値上がりぶりはいったい何なんだ。超円安がうらめしい。
もしもニューヨークシティマラソンに出走できるなら、そんなことにはこだわるまい、とも思う。
ただ、最近の僕は、申し込んだレースでDNSとなることも多いから、そうなると、$315だけが丸損になって、目も当てられない。
そう考えると、今はやっぱり(どうせ当たらないとは言え)見送りだなぁ…と、僕は苦渋の決断。
「PLACE YOUR ORDER」のボタンを押さずに、そっとブラウザを閉じた。
ということで…。
僕の心は、出走断念で固まっていたのだけれど、昨晩届いたこんなメールで再びぐらついている。
メールのタイトルは、「Don’t Miss Your Chance—Apply Today!」
チャンスをお見逃しなく!今日申し込もう!。
いや、見逃しているわけじゃなくて、見送るつもりなんだけれど…。
そもそもエントリーしたって、当たらないじゃないか!
そうは思いつつも、あらためて誘われると、どうにもこうにも心は揺れる。
うーん。






