その料理は、強烈なインパクトだった。
撮影時、あまりの凄さに圧倒され、サイズ比較対象の物を置き忘れてしまったので、わかりにくいかもしれないが、僕らはそのボリュームに、しばし絶句してしまったほど。
何しろ、この他にあと1つしか料理を注文しなかったのに、男3人がかりで完食できなかったのだから、半端じゃない。
これで2人前。
別途1人1人に大きなサラダがついて、18ユーロ(約2,400円)。しかも、とっても美味しかったので、コストパフォーマンスも優れていると思う。
これは、北ドイツ料理の「盛り合わせ」のようなもの(?)で、パスタに加えて、ソーセージとザワークラウト(キャベツの酢漬け)。そして、その上に「それ」が鎮座していた。
ドイツの餃子的な食べ物。マウルタッシェンだ。
確かに、こうやってひとつだけ取り出して見ると、焼餃子に見えなくもない。
僕らが注文したもう1品は、「マウルタッシェンのチーズがけ、ほうれん草添え」。
マウルタッシェンに関しては、「盛り合わせ」に載っているものと変わらない。
が、こちらの料理に関しては、チーズとほうれん草のボリュームが凄まじくて、これまた僕らは圧倒されてしまった。
しかし、圧倒されてばかりもいられない。僕にとって、生まれて初めてのドイツ餃子、マウルタッシェン。さぁ、実食だ。
ということで、食べてみた感想をひとことで言えば…。
これは餃子じゃない!
ということだった。
一見すると焼餃子のビジュアルに見えなくもなかったのだけれど、囓った印象は、一口目から、明らかにそれと異なった。
表面こそ、「カリカリ」風に見えるものの、それを感じるのは一瞬。すぐに「しんなり」とした味わいに変わる。
分厚い皮は、もちもちしている…というよりも、なんだかパスタを食べている感じ。それもその筈、そもそも、マウルタッシェンは、パスタ生地で作られているからだ。
断面図。
こうやって見ると、明らかに「焼餃子」とは異なることがおわかりいただけると思う。
野菜中心の具は完全にすり下ろされていて、いわゆる、マッシュベジタブル状態。日本の野菜餃子のような、ザクザク感などは皆無だ。
そして、下味もそんなについてない。
ただ、これが美味しくなかったかというとそうではなく、「餃子でないことを別にすれば」僕は気に入った。
具がそんなに主張をしていないので、パスタの盛り合わせの中に入っても違和感はないし、チーズやほうれん草にも合う。
だからこれは、パスタ料理の一種なのだ。
ということで、ベルリンマラソン直前のカーボローディング*1には最適だったと思う。
マウルタッシェンには、焼餃子風のものだけじゃなく、スープに入った水餃子風(たぶんこちらの方がメジャー)のものもあったので、盛り合わせとの差別化としては、それも食べてみたかった。
しかし、盛り合わせ料理の強烈なボリュームに圧倒された僕らにその余力はなく、この日はこれで終了。(しかも食べきれなかった…。)
ただ、どちらも非常に美味しい料理だったし、十分すぎるほどカーボローディングできたので、僕はとても満足している。
その店は、僕らの滞在ホテルからちょっと行きにくい場所で、しかも、雨も降っていたのだけれど、出かけて良かった。
前述の「スープマウルタッシェン」だけじゃなく、他の客が食べていたピザ風料理なども魅力的。
店の雰囲気もよかったので、また、ベルリンマラソンに行く機会があれば、今度は是非大勢で、いろいろな料理を楽しみたい。
*1:勝負に必要なエネルギーを身体に蓄えるため、パスタ料理などで、カーボ(炭水化物)を身体に詰め込むこと。