2月に受検した漢検準1級(令和3年度第3回/R3-3)の結果通知が届いた。
昨年11月に届いた2級の合格通知は、角2サイズの大きな封筒で届いたが、今回の通知はコンパクトな定型封筒に収まっていた。
今回は、悲しいかな、合格証書が同封されていないからだ。
Webでの速報により、今回の試験結果が不合格だったことはわかっていたけれど、その封筒サイズを見て、僕は、厳しい現実をあらためて思い知った。
暗い気持ちで開封すると…細かく折りたたまれた検定結果通知のみが入っていた。
もしも合格していれば、冊子の形で折りたたまれずに届くため、この点においても「格差」が生じている。不合格者には厳しい現実だ。
今回の得点は、152点。
「合格まであと8点です。」の文字が悲しい。まさか8点も不足しているとは。
僕は、自己採点において、余裕で合格の手応えを感じていただけに、実にショックだ。
いったいなぜ、自己採点との大きな乖離が発生してしまったのか。
しかし、今更そんな、死んだ子の歳を数えるようなことを言っても、何も解決しない。
次回のリベンジに向けて、自分なりに不合格理由を分析しておくことにしよう。
通知には、設問毎の○×が記載されているため、どんな問題を誤ってしまったのかも明白だ。
以下、今後の対策も兼ねて、設問毎に覚書を残しておくことにする。
- 問1/読み(30問・1問1点)
- 問2/表外の読み(10問・1問1点)
- 問3/熟語の読み・一字訓読(10問・1問1点)
- 問4/共通の漢字(5問・1問2点)
- 問5/書き取り(20問・1問2点)
- 問6/誤字訂正(5問・1問2点)
- 問7-1/四字熟語 書き取り(10問・1問2点)
- 問7-2/四字熟語 意味と読み(5問・1問2点)
- 問8/対義語・類義語(10問・1問2点)
- 問9/故事・諺(10問・1問2点)
- 問10-1/文章題 書き取り(5問・1問2点)
- 問10-2/文章題 読み(10問・1問1点)
- 反省と次回対策…。
問1/読み(30問・1問1点)
漢検準1級クラス漢字の、オーソドックスな読み方の問題。
30点中27点。不正解だったのは、以下3つの単語。
- 「奔滝」ほんりゅう
- 「苑がらず」ふさがらず
- 「坤」ひつじさる
過去問や問題集にあったような気もするのだけれど…思い出せず。
どんなに考えても全くわからなかったので、これは勉強不足。次回は満点を目指したい。
問2/表外の読み(10問・1問1点)
常用漢字表に掲載されていない読みを答える問題。
10点中9点。ここは満点をめざしたのだけれど、以下の読みだけ躓いた。
- 「いつになく彼女が燥いでいる」はしゃ(いで)いる
受検後、解答を確認して「あっ」と思った。これは確実に勉強していて、落としてはいけない設問だった。悔しい。
問3/熟語の読み・一字訓読(10問・1問1点)
熟語の読みと一字訓読(漢字一文字+送り仮名,の訓読み)をセットで答える問題。
10点中10点。一応満点だが、全受検者の平均点が6.3点と、やや高いし、合格者は全員全問正解している。
問題がちょっと易しめだったのだろう。
問4/共通の漢字(5問・1問2点)
準1級試験において、最大の難関と言われる設問。
2つの文章に共通して入る漢字を答える設問で、対象となる漢字は、常用漢字(2級レベル以下)のものなので、一見簡単そうに見える。
しかし、通常使わないような語彙を使った文章となっているため、難解極まりなく、毎回平均点が低い。
今回の全受検者平均点は、10点中2.6点で、合格者平均でも10点中6点。5問中2問を落としていることが、その厄介さを物語っている。
そんな設問で、僕は10点中8点。
僕がたまたま知っている語彙の設問が多かっただけだと思うが、今回の試験で、僕の唯一自慢できるポイントだw
僕が落としてしまった設問はこれ。
- 桜の咲き匂う京(★)を訪れる。
- 世の(★)表として畏敬される。
この2文の★部分に共通して入る漢字がおわかりだろうか?
正解は《師》で、それぞれ、《京師》《師表》になるようだ。
そんな単語知らないよ!
今回、僕は、僥倖にも他の4問の漢字をひねり出し、正解することができたが、毎回こんな風にうまくいくとは限らない。
この設問(共通の漢字)は、出題範囲が無限なため、有効な試験対策がない。
だから、次回は0点の可能性だってある。
そう考えると、ここで8点とれた今回は、絶好のチャンスだったんだけれどなぁ…。
問5/書き取り(20問・1問2点)
漢検準1級レベル漢字を中心とした、純粋な書き取り問題。配点が高いので、ここはできるだけ多くとっておきたいところ。
僕の点数は28点。ここで6問(12点)も落としてしまったのは痛い。
ただ、言い訳もある。今回は、以下3問の難易度が高すぎる!と思うのだ。
- 処女作をシに上す
- 訪問先でシを通ずる
- 英明のシを天から賦与される
いったい何なんだ、この「シ」の三連発は!
僕は最初にこの設問を見た時、頭を抱えてしまった。これまでどんな問題集にも過去問にも出てこなかった(と思う)タイプの設問だ。
「シ」1文字の漢字なんて、選択肢が広すぎて、とても絞りきれない。
僕は、何とか捻り出して回答欄を埋めてはみたが、全て不正解だった。
正解は以下の通り。
- 処女作を梓に上す
- 訪問先で刺を通ずる
- 英明の資を天から賦与される
「シに上する…?そうか、上梓するってことか!」
「刺を通ずる…?そうか、名刺を渡すってことか!」
…なんて閃く人には簡単だったのかもしれないが、だったら、「ジョウシする」「メイシを渡す」って問題にしてくれ。
「梓に上す」「刺を通ずる」なんて言い方、僕が生まれて以来、聞いたことがない。
いったいいつから、漢検はひらめきゲームになったのだろう。(僕が無知なだけ?)
「英明の資」は完全にギブアップ。
《天資英明》という四字熟語を知っていれば解けたようだけど、この四字熟語は、漢検四字熟語辞典に載ってないというのが、どうにもこうにも…。
僕が他に落としていた残り3問は、以下の問題。
- 「誰にも気兼ねせずジママに暮らす」自儘
- 「落ち葉でアマドイが詰まっている」雨樋
- 「参列者はレイレイしく着飾っている」麗々しく
自己採点との乖離(その1)登場。
僕は3問とも悩まず正解を書いたつもりだったのになぁ…。いったいどこが違っていたのだろう。
棒や点が一本足りないとか、トメハネの間違い?そのあたりも十分見直していたつもりだったから、実にショックだ。
解答用紙が返却されないため、不正解理由が不明なのは厳しい。
問6/誤字訂正(5問・1問2点)
文中の誤字(読みが同じ別の漢字が誤って使われているもの)を修正する問題。
僕の点数は6点。自己採点では全問正解のつもりだったので、4点を失ったのは大きい。
僕が不正解だったのは、以下の2問。
- 私淑する史家の著作を耽読するうち、京成の木琢たる己の使命に覚醒した。
【誤】琢⇒【正】鐸- 皆の憧憬の的の女性に就心し煩悶の日を送ったが、所詮高嶺の花と諦めた。
【誤】就⇒【正】執
うーん、どちらもすぐ誤字に気がついて書いたし、合っていると思ったんだけれどなぁ。
就⇒執なんて、どちらも易しい漢字なので、書き間違えようがないと思うだけに、不正解となっていることが衝撃。
いったいどこを間違えてしまったのだろう。
問7-1/四字熟語 書き取り(10問・1問2点)
シンプルな四字熟語の穴埋め、書き取り問題。
僕は今回、四字熟語を集中的に学習し、全て見知った単語だったので、全問正解!のつもりだった。しかし、蓋を開けてみれば、なんと…。
5問が不正解!これはショックだ。本当にショック。
全受検者平均点が12.7点だから、通常よりもかなり易しいレベルだったと思われ、そこで5問(10点)も落としていては救いがたい。
今回、僕が不正解だった四字熟語は以下の5問(実際は下線部分が空白になっている)
- 東窺西望
- 邑犬群吠
- 暮色蒼然
- 動静云為
- 格物致知
試験中、問題用紙に書き写した解答を見ると、全部その通り書けている(つもり)なのに、不正解。
「云為」「致知」なんて簡単な漢字、どうやったら書き間違うんだ?
我ながら理解に苦しむが、解答用紙が戻ってこないので、何がどういけなかったのは不明のまま。いやぁ、これはホントにストレスが溜まる。
ただ、どんなに嘆こうが不正解は不正解。
点数比重の高い四字熟語で10点も落としていては、不合格になるのは当たり前なんだよなぁ…。
問7-2/四字熟語 意味と読み(5問・1問2点)
問題文の意味に当てはまる四字熟語を選択肢から選んで、その意味をひらがなで書く問題。
四字熟語はそれほど難しくなかったので、すぐに発見できた。ひらがなの書き取りであれば、流石に僕も間違えないw
これは満点。(10点)
問8/対義語・類義語(10問・1問2点)
対義語、類義語をひらがなの選択肢から選んで、漢字に直して書く問題。
僕の点数は14点。3問も落としてしまっていた。自己採点では1問のみのミスだったんだけれどなぁ…。
【対義語】文明⇔模糊
【類義語】消長≓隆替/純潔≓無垢
消長≓隆替は全くわからなかったけれど、「模糊」や「無垢」はちゃんと書けた(つもりだった)のに…。
ここまでケアレスミス(?)が続くと、自分の漢字書き取り能力に欠陥が生じているのではないかと思えてくる。
問9/故事・諺(10問・1問2点)
シンプルな故事・諺の書き取り問題。結構レベルが高い問題だったと思う。
僕の点数は12点。ここで4問(8点)を落としたのは痛い。
- 「ソウコウの妻は堂より下さず。」糟糠
- 「天地ゼンコウ無し」全功
- 「トウコの筆」薫狐
- 「神明にオウドウ無し」横道
糟糠の妻は知っていた(けど書き間違えた)が、残り3問は、全く思い浮かばなかった。完敗。
問10-1/文章題 書き取り(5問・1問2点)
掲載されている文章を読み、その中に、カタカタで書かれている言葉を漢字に直す問題。
僕の点数は8点。落とした1問はこれ。
- 「災難はたとえばオウセキに行われし罪の…」往昔
答えを知ってしまえば、なるほど、という漢字なのだけれど、思い浮かばなかった。
語彙力を鍛える必要があるなぁ…。
問10-2/文章題 読み(10問・1問1点)
掲載されている文章を読み、波線を引かれている漢字の読みを答える問題。
いちおう全問正解したが、合格者は全員が全問正解しているし、全受検者の平均点も8.2点なので相当高い。今回は、かなり易しかったのではないか。
反省と次回対策…。
とにかく僕は、漢字の《書き取り》にケアレスミスが多いようだ。
どの部分が書き間違っていたのかを理解できていないため、頭が痛いのだけれど、おそらく、根本的に、僕の漢字の書き取りは雑なのだ。きっと。
トメやハネなど、細かいところで勘違いしている可能性があるので、今後は、1文字1文字正確に、勉強をしていこうと思う。