3月下旬。
ジョンソン英首相は、イギリス国民に訴えた。
新型コロナウイルスについて、「ここ数十年で最大の脅威」「目に見えないこの殺人者」と述べ、Stay at homeという言葉で締めくくっている。
ウイルスから身を守るために、決して家から出ないでくださいという、力強いメッセージだ。
僕は、イギリスの政界に興味はないから、ジョンソン首相の《政治的な》側面については、発言を控えさせていただく。
ただ、ジョンソン首相は、奇しくも僕と同年代であり、煙草を吸わず、サイクリング好きで、ランニングもしているという点に共感を持っていた。
そのため僕は、そんなジョンソン首相が、新型コロナウイルスに罹患してしまったと知った時は、大きなショックを受けた。
誰よりも気をつけていた筈だし、健康にも留意していた筈なのに…。
僕は、あらためてこのウイルスの恐ろしさに身震いしてしまった。
ジョンソン首相は、一時期、集中治療室にまで入ってしまったという情報が流れたため、僕は、本当に心配していた。
だから。
昨晩、このニュースを知って、本当にホッとした。
イギリスのボリス・ジョンソン首相が、無事退院したというニュースを知ったからだ。
新型コロナウイルスに関しては、連日、暗い話題が続いているが、これは、久しぶりに明るいニュースだと思う。
新型コロナウイルスは、非常に恐ろしいけれど、《克服もできる》ということを、一国の首相が身をもって示したからだ。
このビデオメッセージが伝える言葉は、非常に重たい。
英国では、感染者数が80,000人に迫る状況で、死者の数も10,000人を超えている。だから、まだまだ予断を許さない状況だ。
しかし、希望はある。
ボリス首相は、退院直後とは思えないような力強さで、5分以上にも及ぶビデオメッセージを発信。
そして、あらためて、Stay at homeという言葉で訴えている。
一国の首相が、苦難を乗り切って伝えた言葉を、重く受け止めていきたい。