今、僕の身体には、3本のネジが埋め込まれている。
インプラント体の埋入手術が終わったことを示す結果だ。
手術の前には、不安ばかりが募っていた。
「セデーション(静脈内鎮静)」なしでの手術を希望したためだ。
セデーションをすれば、眠っている間に手術が終わる。
けれど、今回は意識がはっきり残ったまま、約2時間――。
顎を開けっぱなしで、ドリル音に耐え続けなければならない。
しかし、もう今更あとには引けなかった。
だから僕は、手術当日の未明にこんな記事をアップ。
インプラントをフルマラソンにたとえ、「いわば30㎞地点の正念場。」と書いたのだ。
手術の結果は、案ずるより産むが易し。心配は杞憂だった。
思っていたよりもあっけなく、僕の身体への「ネジ(インプラント体)導入」手術は終わったからだ。
部分麻酔が効いているため痛みはなく、出血もごくわずか。
顎は多少疲れたものの、手術後にすぐ治まった。
「固定ガイドがピッタリ嵌ったので、スムーズでした」と、先生も満足げだった。
振り返れば、4月の抜歯ソケットプリザベーション手術*1よりも断然楽。
セデーションを省いたことで、66,000円もの節約になった。
万々歳だ。
…と、言いたいところなのだけれど、そうは問屋が卸してはくれなかった。
今回僕が行った手術は、人工歯根(フィクスチャー)と支台部(アパットメント)を、口内に差し込むところまで。
「歯」にあたる「人工歯冠」をかぶせるのは、なんと4か月先!
だと言われたからだ。
フィクスチャーが骨に馴染むまでには、それだけの時間が必要だということらしい。
今、僕の口内には、むき出しのネジとキャップだけが残っているような状況だ。
この状態であと4か月も待たされるのか…。
インプラントの装着までには、時間がかかるということは、いろいろ調べてわかっていたつもりなのだけれど、まさかここまで長くなるとは思ってもみなかった。
なんだかんだで、全ての手術が終わるのは来年の3月になりそうで、1年がかりの手術ということになる。
いやはや、長い、長すぎる。
前回記事で僕は「インプラントはフルマラソン。今が正念場だ。」と書いた。
しかし、それは大きな誤解だった。
フルではなく、ウルトラマラソン。
僕のインプラントレースは、まだまだしばらく続くのだ。

*1:インプラント体(人工歯根)を受け入れる為に、顎の骨を造成するという手術

