高島屋ホーチミン店5F、レストラン街の一角。
ASIAN CORNERゾーンの中に、「大阪王将」のテナントは入っている。
ロゴなどは、日本と同じものを使っており、料理メニューも同様に用意されていたが、似て異なる部分もいろいろあった。
僕は、最近、日本で大阪王将に行っていないため、もしかしたら、最近は変化してきているのかもしれない。
しかし、少なくとも、こんなセットメニューはなかったと思う。
味噌汁なんてついていただろうか?
まぁ、僕は、そもそもこういったセット品を食べないのでどうでもよかった。
注目すべきは、もちろん餃子。
一見すると(あまり美味しそうな写真ではないけれど)日本の店で出てくるものと同じ餃子のように思える。
キムチやチーズなどのトッピング系も、単に餃子の上に乗せているだけだし、同様のものは、過去のフェアメニューでは、見かけたような気もするので、そんなに違和感はない。
今回、僕が気になったのは、これ。
オレンジ色をした、餃子のタレ(?)である。
いったい何だろうと思い、皿に注いで一口舐めてみると、甘かった。
これでようやく僕は、それが何かを理解した。スイートチリソースだ。
餃子にスイートチリソース?と思ったが、ここはベトナム…ということを考えると、不思議ではない。
ベトナム料理として有名なもののひとつに、生春巻きがあるが、生春巻きにスイートチリソースは欠かせないからである。
春巻きと餃子は、《包みもの系料理》として繋がっているため、春巻きに合うのであれば、餃子とだって合う筈!
…という理由かどうかは知らないが、ここベトナムでは、違和感のないタレなのだと思う。
ならば試してみようじゃないか。
僕は、そう思って、「元祖焼き餃子」と「海老焼き餃子」を注文。もちろん、ビールもあわせて頼んだ。
海老焼き餃子というのも、日本の大阪王将にはない(フェアメニューなどでは存在していたのかもしれないが、少なくともレギュラーメニューとしてはない筈)ので、それもちょっと楽しみだった。
ビールのラインナップはこんな感じ。
東南アジアに来たのだから…とタイガービールを注文したのだけれど、残念ながら売り切れで、ハイネケンかサッポロしかないとのこと。
仕方ない。ならばサッポロだ。
待つこと10分程度。
餃子とビールがやってきた!
紛れもなく、「大阪王将の餃子」というビジュアルだ。
餃子2種類は、味気ない皿に、まとめて乗せられて登場。ビールも缶のままだったので、ちょっとだけ興ざめしてしまったが、まぁ、これでも餃ビーは餃ビー。
日本から遠く離れた地で、大阪王将の餃子を食べられるのだから、文句は言うまい。
ということで、まずは、元祖焼き餃子を、このタレにつけて食べてみた。
個人的な感想を言うと、その相性は微妙。
元祖焼き餃子の具は、野菜系で淡白な味わい。ニンニクの味もほとんどしないため、パンチ力に乏しい。
大阪王将の餃子を食べるのが久しぶりなので、確信は持てないが、ここまで淡白だったかなぁ…と思うほど、インパクトが薄かった。
そんな餃子だから、スイートチリソースをつけると、餃子が、タレの味に負けて、不思議な味わいになってしまう。
これは普通のタレがいい。そのため僕は、2つめからは、普通のタレ(写真左奥)をつけて食べることにした。このタレならば、まぁ、餃子を食べている、という感じがする筈だからだ。
僕は、ちょっと落ち込んだ気分になりながら、もう1種の焼き餃子、海老焼き餃子を齧ってみた。
うわっ。全然違う。
外見のビジュアルこそ、元祖焼き餃子と同じだったが、その具は完全に異なっていた。
野菜の味わいは殆どなく、豚肉と海老がぎゅっと詰まっている。実に食べ応えのある餃子だ。
僕は、その想定外の味わいに嬉しくなり、「もしかすると…」と思い、恐る恐る、これもスイートチリソースにつけてみた。
おぉっ、合うじゃないか!旨いぞこれは!
僕は思わず、そう叫びたくなってしまった。
濃厚な肉と海老の味わいには、スイートチリソースがいいアクセントになる。
思えば、生春巻きにも海老は欠かせないし、中身がぎっしり詰まっていると言う点でも共通項はある。
だから、ホーチミン店には、オリジナルの海老焼き餃子があり、そして、スイートチリソースがあるのだ。
僕はそう得心して、餃ビーランチを堪能した。
いやぁ、何ごとも、試してみないとわからないし、大きな発見があるものだ。
餃子の世界は、かくも奥深い。