昨日、僕は夢を見た。
僕の母校、中央大学が24年ぶりに箱根駅伝の往路を制覇するという夢だ。
1区。吉居駿恭選手が序盤から大独走。
後続に圧倒的大差をつけて襷を繋いだ。
2年前にこの区間を走って新記録を叩き出した兄(吉居大和選手)を彷彿される、圧巻の走りだった。
日本テレビの中継では、奇しくもそんな兄が解説者として出演していたため、区間賞でのインタビューでは、兄弟の掛け合いも実現。
なんともエモい展開だ。
僕は、鶴見中継所直後の沿道で、そんな吉居選手から襷を受け取ったばかりの、溜池一太選手を見送った。
その後も中央大学の快走は続き、2区溜池選手に続いた3区の本間颯選手が区間賞。
しっかりとトップを守った。
この時点では、2位の創価大とは1分半の差があり、3強と言われる青山学院大、駒澤大、國學院大は2分半以上離していた。
だから、これはひょっとしてひょっとするかも…と僕は、大きな夢を抱いたのだ。
しかし…。
過去数々のドラマを生んできた箱根駅伝は、そんなに甘くなかった。
特に、箱根駅伝に照準を合わせてきている青山学院大学の底力がハンパなかった。
4区の太田蒼生選手が区間賞の走りを見せ、中大から45秒差で襷を繋ぐと、それを受け取った若林宏樹選手が爆走。
9・6キロ付近で、中大5区の園木大斗選手を抜き去ってしまった。
結局、往路が終わってみると…。
青山学院大学に1分47秒もの差をつけられてしまった。
中大園木選手も区間6位の走りだったから、そんなに悪くなかったのだけれど、青学の若林選手は区間新(!)の快記録。
まさに《4代目山の神》状態だったのだからたまらない。
中央大学、24年ぶりの往路優勝の夢は、そんな山の神に阻まれてしまったのである。
今朝のスポーツ新聞各紙1面は、軒並み青学の往路優勝で埋め尽くされている。
原監督のコメントとして、「中大の1区飛び出しは想定済み。國學院、駒沢をマークしようぜと指示した」などと書かれており、なんとも腹立たしい。
あぁ、こんなことを言わせたくなかったなぁ…。実に無念だ。
しかし、今更そんなに気落ちしても始まらない。
今大会、中央大学は予選会からの出場となっており、いわば《挑戦者の1校》に過ぎない立場。
優勝候補だった(そして惨敗した)昨年とは、状況は断然異なっている。
往路準優勝ならば大健闘とも言えるのだ。
スポーツ新聞各紙は、1面こそ青学一色になっているが、裏1面では中大を取り上げてくれているものもある。
あぁ、ほんとに格好良かったなぁ。
吉居駿恭選手は、まだ3年生。
3区で区間賞を獲得した本間颯選手(2年生)とともに、来年の箱根駅伝も出場可能だ。
来年は、主役の一角として優勝を狙える立場で臨めるよう、復路中大の走りに注目したい。
いや。
来年のことを考えるのはまだ早い。
青学にこそ離されてしまったが、3位の早大とは40秒差。優勝候補だった駒大には1分40秒の差をつけているのだ。
安心はできないけれど、普通に走れば、まだまだ上位に粘れる位置。
逆転優勝の可能性だって、ほんの僅かながら残っている。(と、信じたい…。)
さぁ、愛しき中大の選手たちよ。復路も魅せてくれ!