ただひとこと、感謝。
羽生先生は、自分自身のことよりも、将棋界の未来を考えて、会長という重責を担ってくださるからだ。
羽生先生は、前人未踏の永世七冠保持者であり、国民栄誉賞も受賞している。
もはや十分すぎるほどの名誉や権威を有しているから、将棋連盟会長という権威を得ても、メリットなどない。
いや。
それどころか、今後の棋士生活においては、デメリットになる可能性が高い。
羽生先生は、これまで通算99期のタイトルを獲得されていて、前人未踏の100期まであと1つ。
現役としても、まだまだ十分タイトル戦に登場できる実力を有している。
先日の王将戦では、藤井聡太王将と激闘を繰り広げ、結果、敗れはしたものの、2勝を上げた。
今の将棋界は、AIによる研究勝負みたいなものになっているから、そんな中、激務の会長就任は、負担になることは確実。
だから僕は、「現役に専念すれば、まだまだやれるのに!」と思った。
しかし羽生先生の考え方は、そんな僕の浅はかなものとは大きく異なっていた。
日本将棋連盟は2024年に、創立100周年の大きな節目を迎えます。ここまでの道のりは、とても険しく困難の連続でした。
しかし、諸先輩方の献身的な努力により、現在の隆盛があります。その思いを受け止めて、邁進をして行く所存です。
来年、将棋連盟は創立100年となり、東西将棋会館の移転も控えている。
将棋に関わる注目度も、格段に大きくなる筈だ。
そんな大きな節目のタイミングだから、「自分が立ち上がらなければ」と決断してくださったのだろう。
今日行われました日本将棋連盟の通常総会で会長に選任されました。大きな責任を感じ身が引き締まる思いです。
— 羽生善治 (@yoshiharuhabu) 2023年6月9日
クラウドファンディングも駒テラス西参道も新将棋会館も進行中ですが、皆様に楽しんで頂けるように日々邁進してまいります。https://t.co/OfaLSuxyWS
将棋界への熱い思いと責任感に頭が下がる。敬服。