偶然見つけた店が《当たり》だと、何だかとても嬉しい。
そんな大塚の店で、僕は、友人と大いに盛り上がった。
白ゴーヤ炒めや水餃子、他、乾杯セットで選んだ小品たちは、どれもこれも美味しかったが、その日に注文した料理のナンバーワンは、これ。
上海焼餃子だ。
スクリュー型(?)に並べられているのは、なんだかちょっと珍しい。
写真技術が拙いせいもあって、ビジュアル的には、あまり美味しそうに見えないかもしれないけれど、なかなかどうして、これが最高に美味しかった。
ただ、この日の僕は、かなり飲み過ぎてしまって、その味を細かく吟味する余裕がなかった。
「美味しかったぁ」という子供じみた感想ぐらいしか書けないため、数日後、再訪して検証してみた。
初回訪問時に撮影できなかったホワイトボードのオススメ料理たち。
頻繁に書き換わっているようで、この日は、「白ゴーヤと豚肉の炒め」はなかった。
ボードの下には、定番の看板料理が掲示されていて、上海肉餃子の名前もある。
価格は5ケで600円。
ボリュームたっぷりの餃子なので、600円でも高いとは思わないけれど、以前は500円だったようだ。
手書きで修正されているので、《値上げしました》感が満載。
書き直せばいいのになぁと思うけれど、細かいことにこだわらないのが、この店の流儀(?)なのだろう。
またそれは、600円でも十分価値がある筈、という自信の表れでもある。
ホワイトボードは反対側の壁にもうひとつある。
こちらも、その日のオススメ料理たちが並んでおり、その下には、上海焼餃子(価格修正つき)の手書き掲示があった。
2カ所でプッシュされているのだから、やはり、相当な自信料理なのだろう。
この日の僕は、そんな自慢の上海焼餃子を追加検証するために訪れたので、もちろんそれを注文。
餃子が出てくる前に、ホワイトボードから小品を2つ注文した。
大根醤油。
単に大根を醤油で煮込んだだけの料理なのだけれど、こういったシンプルな料理は、ごまかしが利かないから、店の実力がそのまま反映される。
醤油の味がじっくりと染みこんで、しかし、しょっぱくはない大根は、無限に食べられそうだった。
ビールのつまみとしても、ご飯のおかずとしても、合いそうな料理だ。
干豆腐の冷菜。
町中華では見ることができない、中国料理店ならではのメニュー。
低カロリーでお腹にたまる、僕の大好きな料理のひとつ。
これも普通に美味しかった。
他にもいろいろと食べたいものは沢山あったが、この日の僕は、お腹にそれほど余裕がなかったし、何より《検証》のために訪れたので、その本分に影響があってはいけない。
真打ちが出てくるまで、グッと我慢の子だ。
そして。
出てきた!
…が、あれ?スクリュー型じゃない。そして今回は、前回よりもかなり《よく焼き》状態だ。
まぁ、ここは、細かいことにこだわらない店(と断定w)なので、これもまたご愛敬。
餃子に合わせて、もちろん、生ビールも注文。
このコンビって、どうしてこんなにも最高の絵になるのだろう。
言うなればこれは、上海焼餃子とビールが織りなす、中国四千年の奇跡だ。知らんけど。
僕は、そんな生ビールとともに、満を持して検証を開始することにした。
今回は、しっかり、ひとつづつ味わいながら食べてみよう。
ぎっしりと肉が詰まった本格的な肉餃子。
肉汁は、飛び出る感じではなく、具の中にきっちりと凝縮されている。
だから、噛みしめるたびに、口内に肉の旨みが溢れてきて、たまらなくジューシーだ。
もっちり、かりかりの厚皮がこれまた最高。
皮にも、具にもしっかりと味がついているので、何もつけなくても最高に美味しいし、むしろつけると邪魔になる。
これは、単品で完成された主食の料理なのだ。
なにしろジューシーなので、ビールの旨さも際立つ。
主役としても、ビールの相棒としても、申し分のない餃子だと思う。
僕はとても気に入ったし、他にもいろいろ食べたい料理があるので、この店は、是非ともまた訪れたい。