シカゴの名物料理と言えば、いったい何だろう。
ステーキ、シカゴピザ、ホットドッグ…。大抵はこのようなものがイメージされるようだ。
僕は、今回のシカゴ行でこれらのものを食べていない。
食べるチャンスは何度かあったのだけれど、諸般の理由で叶わなかった。
しかし、後悔はしていない。またいつかシカゴへ出かけた時に食べればいいと思っているからである。
ただ、折角シカゴに行った以上、絶対に外せない料理があった。それはもちろん…。
餃子だ。
餃子なら、日本でいつでも食べてるじゃないかと言われそうだけれど、「シカゴの」餃子を食べるということに、意味がある。
特に、マラソン前日においては、不可欠。
レース直前は、糖質と栄養を十分に補給する必要があるためだ。
ということで、僕の場合は、どんな大会に出場する際も、その前日は餃子を食べることに決めている。
2年前のシカゴマラソン前日も、僕はもちろん餃子にこだわった。
チャイナタウンにある、一風変わったこの餃子に痺れたことを思い出す。
だから今回も、チャイナタウン遠征でもしようかと思っていたのだけれど、その必要はなくなった。
極寒のシカゴ川クルーズ後、這々の体で街を彷徨っていた僕は、吸い込まれるように、四川料理の店へ入っていたからだ。
そこで食べた「雲呑湯(ワンタンスープ)」は、クルーズで冷え切った僕の身体を十分に温めてくれた。
無事、生命力を取り戻した僕は、もちろん、次の選択に移った。
再び眺めたメニューの中から、僕が選んだのは、もちろん、「Pork Pot Stickers(北平鍋貼)」だった。
GYOZAと表記されていないのは、少し不満だったが、鍋貼と言えば焼餃子のことだし、まぁ、こだわらないことにした。
Pork Pot Stickersには、シェフのオススメマークもついていたので、期待しながら10分程度待っていると…。
来たーーっ!
なぜかトングが一緒についてきて、何に使うのかちょっと不明だったのだけれど、そんなことはどうでもよかった。
餃子が出てきた感動で、些細な疑問などは吹っ飛んでしまったのだ。(結局、トングは使わなかったし…。)
いやはやなんとも魅惑的なビジュアルではないか。
その両面が、こんがりとカリカリに焼かれており、揚げ餃子にも近い。
そう言えば、2年前にチャイナタウンで食べた餃子も、同じような感じだった。
これが《シカゴ流》の餃子調理法なのだろうか?
サイズ感はこんな感じ。
iPhone SEとの比較でおわかりのように、メチャメチャ大きな餃子というわけではない。
しかし、実際は、とてもボリュームのある餃子だった。
一口囓ってみて、僕は、それを実感。
具は、野菜の味が殆ど感じられず、ミンチ状の肉がたっぷり。
皮も分厚くて、とても食べ応えがある。
肉がたっぷり、と言っても、日本でよくある餃子のように、肉汁が溢れ出してくるということはなかった。
ただ、僕はそれでがっかりだったというわけではなく、別の理由で、この餃子の味に衝撃を受けた。それは…。
甘い
のだ。
皮も具も、仄かに甘く、噛みしめるたびに、それを実感する。
焼餃子…というよりも、僕は、何だかちょっとしたスナックを食べている感覚に陥った。
でも、悪くない。
そもそも餃子の皮は小麦粉だから、お菓子などにも使われる。そう考えると、たとえ甘くたって、相性は合う筈なのだ。
甘いと言っても、メチャメチャ甘いわけではなく、仄かに甘い、というところがポイント。
肉の旨味も、皮の味わいも、ともに引き立てる甘みなのだ。
僕は、これまでこういったタイプの餃子を食べたことがなかったので、ちょっと衝撃だった。
一番近い餃子と言えば、2年前にシカゴのチャイナタウンで食べた餃子かもしれない。
この時は、餃子本体に甘さは感じられなかったが、餃子にたっぷりとかけられていたタレがとても甘く、だから僕は、スナック感覚で味わった記憶がある。
こと、シカゴにおいて、餃子は「甘さを味わう」食べ物なのだろうか…?
それについては、まだまだ検証が必要だろうけれど、少なくとも、僕はこの餃子が気に入った。
餃子と一緒に運ばれてきた、タレと辣油。
このタレも甘いのか…?と思ったが、普通の酢醤油っぽいものだった。
今回の餃子にマッチしたのは、辣油。
これだけをつけて食べると、餃子の甘みに、スパイシーな味わいが加わって絶妙だった。
いやぁ、美味しかったなぁ。
僕は、この店の餃子がとても気に入ったので、レース後の打ち上げでも、ラン仲間を誘って再訪してしまったほど。
たった数日間のシカゴ滞在で、2回も同じ店に行って餃子を食べるなんて、どんだけ好きなんだよ、と言われそうだ。
でも、そんだけ好きなんだから、仕方ないw
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