トレラン、と言えば、「トレイルランニング」の略だ。
トレイルとは、《林道、砂利道、登山道などの総称》だから、そういった道を走るのが、トレイルランニング…いわゆるトレランと呼ばれる。
僕は、今年でランニング歴が10年目になるのだけれど、未だに、トレランをしたことがない。
僕のラン仲間たちは、毎年、春のマラソンシーズンが終わると、トレイルモードにシフトする人たちが多い。
暑い時期になってくると、ロードを走るのがきつくなってくるため、涼しい山で走る、というのは道理に叶っていると思う。
僕も、「いつかはトレラン」という思いを抱いてはいたが、なかなか踏み出せずにいた。
僕は、舗装されていない道のアップダウンが、とにかく苦手なのだ。徒歩での登山でも抵抗があるぐらいだから、走るなんて尚更。
去年、花見を兼ねて、トレイルっぽいラン企画に参加はしているが、それでもキツく感じたほど。
ということで僕は、トレランのことをよくわかっていないが、相当きついものだという認識があった。
だからまさか、「あの」広瀬香美が、トレイルランニングを行ったという情報を知って驚いた。
広瀬香美と言えば、冬の歌手(?)っぽいイメージがあったので、尚更。
ロマンスの神様に、いったい何が起こったのか。ゲレンデが溶けるほど恋して、雪解けした山でも走ったのか。
僕はそんな疑問を抱きながら、話題の動画を確認してみて、驚愕。
今回、彼女が敢行したのは、《天城トレイルランニング》だったのだ。
トレランに詳しい人は、「そんなレースあったか?」と思われるだろう。もちろん、実際には、そんなレースは存在しない。
これは、石川さゆりの名曲『天城越え』をトレランに見立てたもの。
この歌が、いかに《トレラン》ソングであるかについて、彼女は、身体全身を使って伝えてくれる。
そのテンションの高さが、いやはや半端じゃない。
前述の通り、僕はトレランに関しては素人状態だけれど、「そうか、これがトレランなのか」と納得してしまったぐらい、説得力がある。
彼女は、そんな難曲を歌いこなす石川さゆりの凄さを賞賛した後、自分流のアレンジで歌い始める。
そして、僕はぶっ飛んだ。
いやはや何とも凄まじい動画なので、是非とも一見して欲しい。
もはや、原曲のしっとりしたイメージはどこにもない。
なんとも激しく、華麗な、広瀬香美流の、超ぶっ飛んだ「天城トレイル越え」だ。
手の平、手の甲、拳を使って鍵盤を叩きまくり。キャスター付きの椅子で右へ左へ。手を叩き、「ふぅふぅふぅふぅ」という合いの手まで入れている。
とにかく、めちゃめちゃ楽しそうなので、見ていて幸せな気分になれる。
この歌は、もともと、《浮気をされている女性の気持ち》を歌ったものであり、歌詞の中に、「あなたを殺していいですか」というフレーズも出てくるので、基本的には、重たいテーマの筈。
しかし、この広瀬香美バージョンの「天城(トレラン)越え」は、そんなテーマを超越。
天城どころか、チョモランマさえも越えて、宇宙にまで飛んでいきそうになる歌だ。
いやぁ、こんな【超】エンターテイメントが、無料で見られるのだから、いい時代になったものだなぁ。
僕は、このコロナ騒動が明けたら、是非とも広瀬香美のライブに行ってみたくなった。
トレランは…この歌のようなものだとすると、やっぱり僕には厳しいかもしれないw