今日、11月11日の未明。
月と木星が大接近する――。
僕は、そんな情報をウェザーニュースの星空チャンネルで知った。
月をこよなく愛する僕としては、撮らないわけにはいかない。
先週は、折角スーパームーンの日があったのに、悪天候で撮れなかった悔しさもある。
そのリベンジだ。
時刻は午前4時。
外に出ると、寒風吹きすさぶ真冬のような冷気が全身を包んだ。
空は雲ひとつない快晴。
それなのに、見渡しても月の姿が見当たらない。
おかしいと思って空を見上げた瞬間――そこにあった。
まさに真上。天空に浮かぶ月。
そのすぐそばで木星が輝いていた。
いやはや、やっぱり美しい。
ただ、この位置が厄介だった。
首を直角に反らせないと構図に入らない上に、北風が容赦なく吹きつけてくる。
スマートフォンを持つ手がかじかむ。
それでも僕は、なんとか撮影に挑んだ。
まず試したのは、スーパームーンモード。
Xiaomi 15 Ultraが誇る、AIによる月専用の撮影モードだ。
望遠レンズとAI補正を組み合わせ、月面のクレーターや陰影を自動で最適化。
その結果、肉眼では見えないようなディテールまでくっきり再現される。
流石はスーパームーンモード。
今回も見事に、美しい月を描き出してくれた。完璧だ。
が、その一方で気がついた。
望遠をどんなにゆるくしても、月のすぐそばに寄り添っていた筈の木星が、まったく映っていないことに。
理由は明快。
このモードは、月を最も鮮明に写すために最適化されており、 AIが月以外の光を“ノイズ”と判断して自動的に除去してしまう。
つまり、木星はAIの目には「不要な光」として扱われたのだ。
もちろん、《スーパームーンモード》である以上、これは間違いではない。
ただ今日に限っては、少しだけ残念だった。
この夜空の主役は、月と木星の“共演”だったからだ。
どうしてもこの2つを一緒に残したくて、僕はモードを切り替えた。
選んだのは、Proモード(RAW撮影)。
AI補正を使わず、露出・ISO・シャッター速度などをすべて手動で調整するモードだ。
月の明るさに合わせると木星が消え、木星に合わせると月が白飛びする。
そのせめぎ合いの中で何度も設定を変え、ようやく、ふたつの光を1枚に収めた。
AIが見た“完璧な月”も美しい。
けれど、RAWで撮ったこの1枚には、寒空の下で震えながら見上げた「現実の夜空」が写っている気がする。
どちらも真実。
ただ、見ている世界が少し違うだけ。
2つの世界を手軽に撮り分けられるやっぱりこのスマホは、僕にとって最高の相棒だ。





