餃子ランナーは電子機器の夢を見るか?

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足柄峠走に行っちゃダメ!熊出没と岩本能史先生からの警告。

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足柄峠のふもと、山北で熊が出た。

その知らせを最初に知ったのは、僕が心酔している岩本能史先生のツイートだった。 

「行っちゃダメ!」。

岩本先生はそう警告されていた。

足柄峠走の提唱者である岩本能史先生が、自らそう発信するということ。

それは、単なる注意喚起ではなく、極めて重たい意味を持っていると思う。

僕には、まるで“聖地封鎖”のような衝撃だった。

僕にとって、足柄峠走はただの練習ではない。

山北駅から峠の頂上までの片道12km、標高差630m。

往復24kmの道程の中に、ランナーとして必要なすべてが詰まっている。

上りでは心肺と意志を鍛え、下りでは脚筋と集中力を試す。

推進力・心肺機能・フォーム・着地筋――

ランニングに必要な4要素を、これほど効率的に鍛えられるコースは他にない。

僕は、これらの知識を岩本能史先生の著書から学んだが、峠走を重ねるうち、まさにそれが真実であることを実感した。

この峠走に出会っていなければ、僕はサブ4も、サブ3.5も達成できなかっただろう。

それほどまでに、足柄峠は僕にとって特別な場所だ。

僕が初めて峠走を行ったのは、もう14年も前。

あまりの辛さと、峠走後の極楽(さくらの湯)に痺れたことは今でも忘れない。

その後僕は、何十度も山北まで遠征して峠走を行っている。

霧の朝も、炎天下の午後も、凍てつく冬も。

激しい傾斜に何度も心を折られながら上り詰め、下りの快楽に酔いしれてきた。

頂上で富士山を仰ぎ、下山後に「さくらの湯」で汗を流し、帰路の途中で餃ビーして心を癒す。

僕にとってそれが“足柄峠走”の一日だったのだ。

だから、腰の故障が治ったら、いつか必ず行こうと思っていた。

そんな矢先に、僕は、岩本先生の「行っちゃダメ!」を見たのである。

熊が出たというのは、足柄峠走のスタート地点――山北。

これまで何十回と立った、あの出発の場所だった。

足柄峠といえば、「金太郎伝説」の舞台として知られる場所だ。

金太郎といえば熊。

けれど、まさか現実に熊が出没しているとは思わなかった。

足柄峠の頂上には、金太郎と熊の顔出しパネルがある。

昔話の中で、熊は金太郎の友であり、力比べの相手でもあったのだ。

人と熊が共に生きていた象徴のような存在。

けれど現代では、熊の出没は「ニュース」「警告」「恐怖」になってしまった。

いやはやなんとも、恐ろしいことだ。


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