月の満ち欠けには、圧倒的なロマンが詰まっている。
特に、満月以降の欠けゆく月がたまらない。
満月翌日の十六夜(いざよい)では、まだほぼ球体のイメージを保っているが、その後は、上ってくるたびに、欠け具合を増していく。
そして、1日ごとに、月の出も遅くなる。
日没後に「今か今かと立って待つうちに月が出る」から、立待月。
月が出るのを、「居間などに座って、ゆっくりと待つ」から、居待月。
日没後から出てくるまでの時間が長く、「寝ながら待つ」から、寝待月。
日ごとに違う名前がついているのも、実にロマンチックだ。
下弦の月(半月)を経ると、月の姿はさらに細くなっていく。

おとといの月、有明月は、折れるぐらいの細さになっていた。
ただこの日は、そんな月を支えるように、寄り添う星があった。
「明けの明星」金星だ。

明け方の東の空。
欠けゆく月に寄り添うように輝く金星。
ロマンチックでたまらない。
1時間もすると、月はさらに上って金星からは離れていく。
同時に太陽も昇ってきて、そらは赤く染まってくる。

朝焼けの天空に浮かぶ、儚い月。
その下には、これだけ空が明るくなっても、未だに金星の姿が確認できる。
流石は「明けの明星」だ。
こういった景色が見られるから、夜明けのランはたまらない。

