僕が焼餃子をこよなく愛している理由は多々あるが、中でも、「食感」はとりわけ重要な要素だ。
皮のカリカリ感ともちもち感。具を噛みしめた時のザクザク感とジューシー感。
焼餃子は、それらが絶妙のバランスで絡み合って、さまざまな味わいを醸し出す。
もちもちジューシーの水餃子も大好きだけれど、「カリカリ感」がある分、やっぱり、焼餃子のほうが魅力的だ。
カリカリ感を重視するなら、揚餃子という選択肢もあるが、揚げてしまうと、もちもち感を得られなくなるのが痛い。
ということで…。
カリカリ感、もちもち感、ザクザク感、ジューシー感などを、すべて内包できる焼餃子が、「食感」重視の僕にとってはベストという選択になる。
餃子だけに限らない。
例えば野菜。
僕は、レンコンやブロッコリーをこよなく愛しているが、その理由は、どちらも食感が強烈で独特だからだ。
レンコンは、そのサクサク感がたまらないし、ブロッコリーの蕾部分と茎の部分が醸し出す硬軟のコントラストが効いた食感も魅力的。
僕は、とりわけ食感にこだわるたちなのだけれど、食感が重要だと考えているのは、僕だけじゃない。
それは、食感に関する擬音が非常に多いことからも明らかだ。
こういった一覧を眺めているだけでも、食べ物のイメージが浮かんでくる人は多いのではなかろうか。
やっぱり、食事にとって、食感というのは非常に重要な要素なのである。
しかし…。
今の僕は、そんな魅力的な食感を味わうことができない。
現状は、インプラントを埋め込む前段階として、奥歯は抜歯され、縫合手術をされているため、食べ物が少しでも当たると痛む。
奥歯で噛むということができないから、現状の食事は、流動食を中心とした、「とにかく柔らかい食べ物」だけ。
悲しいかな僕は、食感を失ってしまったのだ。
あくまで一時的なこととはいえ、これが本当につらい。
そもそも、僕が入れ歯を拒否し、インプラントという選択肢をとったのは、「奥歯でしっかり噛みしめたい。食感にこだわりたい」というのが、大きな理由だった。
それなのに、インプラントの治療が終わるまでは、食感を完全に失ってしまうことになるとは、想像もしていなかったから、本当にショックだ。
つらい。つらすぎる。あぁ。



