東京都台東区。浅草と入谷のあいだ。スカイツリーの麓。
合羽橋道具街から脇道を入った住宅街の中に、その店はひっそりと存在していた。
店の名は「大精軒」。下町の町中華だ。
早速入店してみる。
店内は、4人掛けのテーブルが3つとカウンター席。
カウンター席は常連客で賑わっていたので、テーブル席を勧められた。
店の奥。時計の隣にあった色紙に、思わず目が止まる。
あなたと私は餃子の中よ
うまく焼れてあつい仲
なんだかうまいことを言っているような感じなのだけれど、ちょっと何言ってるかよくわからない。
でも、それがいい。
文字もイラストも、ヘタウマチックなのが、これまたいい。
こういうセンス、好きだなぁ。僕はこの都々逸にグッときてしまった。
ということで、餃子とビールを注文。
まぁ、都々逸があろうとなかろうと、餃子とビールを注文するのだけれどw
すぐにビールが出てきた。
アテとしてついてきた、ほうれん草の胡麻和えがとても美味しかった。
壁には、オーソドックスな中華料理の名前が並んでいたが、この店のメニューは、これだけじゃない。
「本日のおすすめ品」として、おつまみ系の料理も結構揃っていた。
町中華の店だと、ガチガチの中華メニューしかない場合が多いため、こういった品揃えは嬉しい。
ホタテの刺身やアジの開き、めかぶまであるのだ。
ほうれん草の胡麻和えが美味しいのだから、こういったつまみ系にも十分期待できる。
僕は、これらを食べまくりたくなったのだけれど、この日は、もう1軒ハシゴをする予定だったため、なんとかこらえた。
ということで、主役が出てくるまでの間は、枝豆で繋ぐことに。
僕は、ひとつ、またひとつと枝豆をつまみながら待っていると…。
あなたとわたしの餃子がやってきた。
こんがりとした焼き色がビールに合って、最高に素敵だ。
サイズはそれほど大きくないのだけれど、ぷっくりとしていて、見た目よりもボリュームがある。
僕には、あつい仲を確かめ合う人はいなかったので、ひとりで餃子の中を味わってみることにした。
噛みしめると、口内にじんわりと肉汁を感じる。
皮はかりっともっちり系、肉と野菜のバランスもとれている。下味がしっかりついているから、何もつけなくても、十分に美味しい手作り餃子だ。
店の居心地も非常に良くて、まさに、下町の町中華名店、といった趣。
各種つまみも気になるので、この店は、是非ともまた訪れようと思う。
次回はやっぱり、あつい仲の人と一緒にw