映画のパンフレットは、作品の魅力を凝縮した宝箱だ。
だから僕は、基本的に、映画が気に入ると必ずそれを購入するようにしている。
前回のエントリーで発表させていただいた、10位から6位までの作品パンフレットたち。
昨年のベスト作を選定するため、僕は、あらためて読み直してみたのだけれど、そのたびごとに順位が変わった。
それぐらい、僕が昨年見た映画たちのレベルは高く、拮抗していたと思う。
3位までは、どれもこれも横一線で、あらためて選び直してみると、順位が変わる可能性もある。
が、どこかで区切りは必要なので、「今の」僕の気持ちで、ベストを確定した。
ロードショー鑑賞における、僕の嗜好(再掲)
- 基本的に洋画専門。(但し、去年は例外あり。)
- ゾンビや血が出てくる映画は苦手。(但し、去年は例外あり。)
- SF映画、特に人類破滅系が好き。
- 後味のいい映画が好き。
- ミステリが好き。どんでん返しものが大好き。
- ハラハラして、スピード感のあるエンターテイメントが好き。
- ニューヨーク、特にマンハッタンが舞台だとドキドキする。
- 重厚な大作、特に上映時間の長い映画は苦手。
この前提を踏まえ、パンフレットを十分に読み返してみて、決まったベスト5が、以下の作品たちだ。
第5位:「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」
このシリーズでは、いつも「あり得ない!」と、思うような仕掛けやアクションシーンが満載で、それは、今回もまた同じだった。
僕は、何度も唸ったし、興奮したし、騙されて驚いた。途中、主要な登場人物に関して「あっ」と驚く展開もあり、固唾を呑んだ。
僕は、とにかくこのシリーズが大好きで、期待値のハードルが果てしなく高い。
だから、鑑賞直後に書いたエントリーでは、若干否定的なことも書いてしまった。
が、 あらためてパンフレットを見直して、映画の記憶を反芻してみると、やっぱり、よくできた、いい映画だったなぁという思いで満たされた。
超人トム・クルーズは、僕より上の年齢なのに、あれだけのハードアクションを(スタントなしで)こなしたということに、あらためて敬服。
そう考えると、これは《必然》のベスト5入り作品だ。
第4位:「レディ・プレイヤー1」
これぞ、まさに、スピルバーグならではの、とびっきりのエンターテイメント作品だなぁと思う。
SF…未来を描いた映画が少しでも好きな人であれば、きっとこれは文句なく楽しめる筈だ。
ど真ん中のSFで、スピード感があって、しかも後味がメチャメチャいい。僕の嗜好にピタリと嵌まって、とにかく楽しい作品だった。
見終わった瞬間、流石スピルバーグ!と唸った、大傑作エンターテイメントだ。
30年以上愛読している、「SFマガジン」誌でのゲームSF特集号とも連動しており、そういった点でも、大いに楽しめた。
第3位:「ワンダー 君は太陽」
障害やいじめ、という重たいテーマを扱っていながら、その内容は、決して重たくない。上質なユーモアも、所々に散りばめられているし、見ていて元気が出てくる。
気がつけば、あっという間の2時間。
エンドロールでは、誰ひとり席を立たなかった。まさにこれは、奇跡の映画だ。
鑑賞後、その素晴らしさに、涙が出てきそうになった作品。
あまりに感動したので、英語で書かれたペーパーバックまでゲットしてしまったほどだ。
と。
ここまで2回に渡ってご紹介させていただいた3位までの作品は、どれもこれも傑作揃いで、例年ならば、1位だっておかしくないほどの高レベル。
しかし、去年は別。1位と2位の作品は、ダントツで図抜けている。鉄壁であり、不動。
いや、去年に限らず、僕のオールタイムベストでも上位に入ることは間違いない作品だ。
第2位:「カメラを止めるな!」
後半。あちらこちらに張り巡らされた伏線回収の方法が、とにかく素晴らしく、劇場内は、前半とは全く違った雰囲気に飲み込まれるのである。
前半部分にモヤモヤを感じれば感じるほど、後半では、とてつもないカタルシスに包まれるだろう。
日本映画史上に残る、斬新で画期的な大傑作。
普段、日本映画を殆ど見ることがなく、しかも、《ゾンビもの》が苦手な僕が、嵌まりまくった。
それぐらい、この映画の持つ魅力は超越している。
初めて見たとき、大きな衝撃を受けた僕は、1回見ただけでは飽き足らず…。
2回、3回とリピート鑑賞。
特に、3回目の《絶叫ナイト》は感動的で、僕は、かつてないほど大笑いしたことを思い出す。
この秋までは、「今年のマイベストは、この作品で決定!」と確信していたほどだ。
ところが…。
11月中旬。僕は、それを一瞬で覆してしまう作品に出会った。
第1位:「ボヘミアン・ラプソディ」
生粋のファンにとっては、この映画は、一生忘れられないほどの作品になるのだろうと思う。
ただ、この映画は、ファンだけのために作られたものではない。「フレディ・マーキュリー」という名前さえ知らなかった僕が、最後は震えてしまうほど、壮絶で最高の人生映画だ。
僕は、この映画を見るまで、クイーンの音楽には全く興味がなかったので、公開当初は(なんと)スルー予定だった。
しかし、信頼できる映画通の友人が、「音楽映画だけど、人生の映画」だと絶賛するため、それを信じて鑑賞。
まさに、人生の映画だったし、僕はそれを通して、クイーンの音楽にも、今更ビビッとシビれた。
長い間生きてきて、これほど素晴らしいアーチストの音楽を、殆ど知らなかったなんて。
僕は、大いに恥ずかしくなったが、しかし、逆に嬉しくもあった。
《知らなかった》ゆえに、聴く曲聴く曲が、どれもこれも新鮮で、最高。僕にとっては、まさに、財宝を掘り当てたような気分になれたからだ。
ということで、僕は、クイーンの音楽に嵌まりまくり、今更ながら、「超」大ファンになる。
この映画に対する、僕の情熱は、鑑賞するたびに上がる一方。それは、今年になってからも続いていて…。
《ライブスタイル上映》体験で、さらに過熱している。
だから、2018年版のベスト1であるのは言うまでもなく、このままだと、今年のベスト1になってしまうことも確実。
ということで、この映画は、僕の生涯ベスト作品として、殿堂入り扱いにさせていただく。
さぁ、また、今週末も見に行こう。