僕は、ミステリ・マガジンを毎号購入している。
いつもだと、買っても積ん読にしていることが多いから、「毎号購入者」ではあるけれど、「定期購読者」とは言い難い状態だった。
だから、このブログのエントリーでも、読み切れない言い訳ばかりしているのが常。
しかし、今回は、違う。
大好きな、ロアルド・ダールの特集だからだ。
前号の予告を見て以来、ずっと楽しみにしていたので、もちろん、先月の発売日*1に購入。
それ以降、毎日と言っていいぐらい、目を通している。一気に読んでしまいたいのだけれど、もったいなので、じっくりと少しずつ読み進めているのだ。
今回は、生誕100周年記念特集ということで、実に充実した内容になっている。
超名作の「南から来た男」「おとなしい凶器」の再録に加え、初訳作品(!)が2篇、新訳作品が1篇。山口雅也のトリビュート短編。圧巻の《資料と研究》。
まさに、ダールファンにとっては、永久保存版と言える内容になっている。
これを読んでいたら、また、ダールの作品を次々と読み直したくなった。
僕が持っている、ダールの短編集。
「あなたに似た人」は、もう、数え切れないぐらい読み返していて、もはや、カバーも見つからなくなってしまった。
この短編集で、前述の「南から来た男」を初めて読んだ時の衝撃は忘れられない。
いやはや、なんというブラックな、後味の悪い短編だろう。
しかし、その後味の悪さが、何とも尾を引く。脳裏に焼きついて離れない。
「おとなしい凶器」や、その他の短編にも驚愕しまくり。僕は、すっかり虜になってしまった。
その後、ヒッチコック劇場で、「南から来た男」の映像版を見て、これまた痺れたことも思い出した。
異色作家短編集(復刻版)が出た時に、興奮して買った「キス・キス」収録作品も、名作ばかりだ。
今回、ミステリ・マガジンの特集に合わせ、「飛行士たちの話」が、新訳版で復刊されたので、それも購入。
「南から来た男」や、「キス・キス」も、新訳版として文庫化されているので、近々買っておこうと思う。
英語本も持っている。
と言っても、原書ではなく、英語学習者用に、平易な文に直したもの。僕にとっては、それでも敷居が高いのだけれど、大好きなダールの作品ならば、読み切れると思って購入。
実際、英語が苦手な僕でも、十分楽しんで読み切れたことを覚えている。
今回の特集に合わせ、あらためて、新訳版の「南から来た男」と、英語版を読み返してみた。
いやはや、何度読んでも、この作品は凄い。素晴らしい。
*1:ミステリ・マガジンは、奇数月の25日発売なので、7月25日。