餃子ランナーは電子機器の夢を見るか?

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福島遠征、4年目の夜明けランは…。(後編)

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(承前)

「いったいどこまで登っていくんだろう…。」

夜明けランの前日。僕は、そんな思いを感じながら、送迎バスに揺られていた。福島駅から高湯温泉に向かっていた時の心境だ。

バスは、ゆったりとしたペースで、狭い山間の道をひたすらくねくねと登っていく。坂また坂、いつになってもゴールは見えない。そんな思いまで抱いた。

標高750m。

僕らが泊まる「花月ハイランドホテル」は、そんな峠の上にそびえたっていた。

 同僚たちは、毎年僕が遠征夜明けランすることを知っているので、バスの中で、「明日、ここを走るのか?」と問いかけられた。

僕は、その時、「今年は止めようかと思う」と答えていた。どう考えても、厳しすぎると思えたからだ。下りはともかくとして、下った分、また登ってこなければいけないのが、精神的にも時間的にもハードすぎる。

下ってから登るパターンは、去年と2013年の福島遠征でも体験済みだけれど、今年の坂は、それとレベルが違う。いったん麓まで下ってしまったら、朝食時間に坂の上まで戻ってこられない。そんな気がしたのだ。

時間内で、行けるところまで行って戻ってくる、ということも考えたが、どうせ走るなら麓まで走りたいし、坂の途中で引き返してくるなんて、すっきりしない。

ということで、僕は、いったん夜明けランを諦めることに決めたのだけれど、夕方、温泉に入った後、フロントの女性に、麓までの距離を尋ねてみて、ちょっと心が揺らいだ。

ホテルから麓までは、たった7kmしかないというのだ!

とにかく延々と登っていた気がしていたので、僕はてっきり、10kmは軽く超えているものだと思っていた。しかし、それは、僕の思い込みによる錯覚。

7kmであれば…。と僕は、大いに心が動いた。往復しても、たった14kmだ。

夜明けランにかけられる時間は、おそらく2時間程度。下りは、キロ4分程度のスピードが出ると思うので、30分程度で下りきれる、筈。

ならば、上りには1時間半もかけることができる。

7kmを、1時間半。ベタ歩きしても余裕だ!ならば、走るしかない!

ということで、やっぱり夜明けランを決行することに決め、眠りについた。

翌朝。

部屋をこっそり抜け出して、いざ、ホテルの入口に向かった僕は、外の情景を見て、一瞬愕然とした。

雨が降っていたからだ。

そう言えば、真夜中、トイレに起きた時、激しい雨音を聞いたような気もした。僕は雨天用の装備を持ってきていなかったため、まさかの雨模様を見て、後悔の念がよぎった。痛恨だ。

普通のコースならば、問題なかった。

身体こそ濡れてしまうけれど、GARMINやUP、ポーチのRUNFITなどは防水だから、走ること自体は問題ない。この時期、シャワーランの方が気持ちいいから、むしろ歓迎だと思っていたかもしれない。

しかし、今回は、違う。走るコースが急坂だからだ。あんな激しい坂を高速で下りていくのは、実に危険。スリップして転倒…の危険性がある。

だから、スピードを抑えなければならないだろうし、となると、練習効果も格段に落ちる。折角の峠走なのになぁ…。

と、僕は、かなり憂鬱になった。

ホテルの中から、呆然と外を見ていると、そんな僕の心を察してくれたのか、ほどなく、雨は小降りになり、意を決してホテルを出た時には、殆ど止んでいた。

ということで、僕はちょっと様子を見ながら、ゆっくりと走り始めた。

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ホテルから、数百メートル下ったところの情景。

靄はかかっているけれど、殆ど降ってはいない。道も、思っていたほど濡れていないようだった。

これならば大丈夫!

ということで、僕は、水たまりに気をつけながら、スピードを速めた。道が濡れていたため、やっぱりちょっと躊躇いがあり、全速力というわけにはいかなかったが、キロ4分強程度までは上げることができた。

激しい下り坂なので、もちろん呼吸は苦しくない。絶好のスピードトレーニングができたと思う。

麓に到着。

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前夜、フロントの人に聞いていた、「ホテルまで7km看板」の場所だ。

ただ、Garminでの計測によると、7.5km程度走っていたようだ*1

ここで、折り返し。コースは、ブルーな上り坂になった。ただ、事前に計算していたように、時間だけはたっぷりあったので、僕は焦らず、マイペースで、進むことにした。

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途中、少し雨が降ってきたり…。

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このような看板を見るたびに、ちょっと心が折れかかったのだけれど…。
事前に思っていたほどは、苦痛に感じなかった。

スピードを上げなくて良い気楽さと、登りきった先に待っている温泉、そして朝食に心を馳せていたせいだろう。

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フィニッシュ!

午前6時半。僕は再び、スタート地点のホテルまで戻ってきた。

朝食は7時半からだったので、それまでゆったりと温泉にも浸かれたし、最高のアフターランを過ごすことができた。最高だ。

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今回走った15kmの道程。

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高度の推移。7.5km地点を境に、綺麗なV字型を描いている。

600m近くの高低差は、足柄峠走と同じくらいなのだけれど、あのコースは、片道12kmある。

それに対して、この福島コースは、片道7.5kmしかないので、断然、こちらの方が、傾斜が厳しい。

しかし、距離が短かったので、思っていたほどきつくなかったし、コンパクトな時間で、とてもいい練習ができた。

あぁ、こんなコースが近所にあれば、毎週通うんだけれどなぁw

*1:車で走るのとランで走るでは、ちょっと計算が違うのか、それともGarminの計測がぶれているのか、よくわからない。


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