エンドロールが流れきっても、僕はしばらく席を立たなかった。
素晴らしい音楽の余韻に、酔いしれていたかったからだ。
こんな映画は久しぶり。なんて甘酸っぱくて、爽快な物語だろう。
1年前に痺れた「はじまりのうた」監督の最新作だから、音楽が素晴らしいだろうということは、想定していた。
ただ、「はじまりのうた」とは、設定がガラッと異なっていたため、見に行くまでは、ちょっと不安もあった。「はじまりのうた」は大人たちの物語だったが、この「シング・ストリート」の舞台は、学校。少年たちの物語。
俳優陣も、見劣りがした。マーク・ラファロやキーラ・ナイトレイに、人気ロックバンド、マルーン5のアダム・レヴィーンまで加わっていた「はじまりのうた」に比べて、無名の俳優が中心。大丈夫だろうか…という不安はあった。
しかし…その不安は杞憂に終わった。
学生時代って、ほんと最高だったなぁ。恋って素晴らしいなぁ。そんな気分に浸れる傑作。
節目節目に流れる、オリジナルの音楽が、絶妙の感動を醸し出す。
僕は、自分が若かった頃の音楽や恋を思い出して、胸が熱くなった。80年代の音楽、特に洋楽に痺れた人は、必見だと思う。
僕のようなオッサンでもスカッとするのだから、若者や女性たちには、もっと響くに違いない。
主人公の成長物語であり、切ないラブストーリーであり、かつ、音楽映画でも青春映画でもある傑作。
超オススメ。
オフィシャルプログラムが、絶品。
なんと、LPジャケット仕様!になっているのだ。
僕はこれまで数々のプログラムを購入しているが、その中でも、1,2を争うほどの素晴らしさ。永久保存版だと思うので、映画を見て感動した人は、絶対に購入することをお勧めしたい。
しっかりとした、ジャケットの中には…。
これまたすばらしい内容のプログラムが封入されていた。
劇中で使われた曲の一覧を見ていたら、映画の興奮が甦ってきた。
これは、サントラ盤も是非購入しなくては!と思った。
プログラムには、通常版とデラックス版があり、デラックス版には、ポストカードや、挿入曲のダウンロード権が含まれている。
僕は、デラックスエディションを購入。
いやぁ、本当にこれは素晴らしい。
予告篇を見ていたら、また痺れてきたので、時間がとれたら、もう一度見に行こうかと思っている。