(承前)
アップルストア表参道に再訪。さっくり本体交換。そして帰宅。
Backup作業にてまどったものの、それで新品のiPhone 5Sに生まれ変わるなら悪くない。そう思って、僕は、復元作業にとりかかった。
といっても、交換前に保存したデータを、新しいiPhone 5Sに戻すだけ。実に簡単。
最近はご無沙汰だったけれど、iTunesによる復元作業は、これまで何度も通ってきた道。何の問題もない…筈だった。
ところが。
いざ、復元作業が終了したあと、僕は驚愕した。なんと、アプリ群が殆ど復元できていないのだ。iPhone 5Sのトップページには、数個のアイコンが並ぶのみ。フォルダで整理していたアプリたちも挙って消えて、スカスカになってしまっていた。
これまでは、アプリも含めて、全て元通りに復元作業されていたのに。いったいどういうことなんだ。
アプリは全体で140個以上あったので、それを全て元の状態に戻す手間を考えると、目の前が真っ暗になった。
色々とググって見ると、確証はないが、どうやら、iOS 9に伴う仕様変更?で、このような事態が発生するようだった。
そう、ここで僕はようやく気がついたのだ。「新品への交換」ということは、イコール、OSも更新されてしまっているのだ、と。念のため、設定画面で確かめてみると、iOSのバージョンは、9.0.2になってしまっていた。
あぁぁ、ここまで、iPhone 5Sの操作性を変えたくなかったから、iOS 8.3にこだわってきたというのに。痛恨。
さらに、iTunesからのアプリデータ転送で、僕は大いに疲労困憊する。
転送するアプリをリストから選び、iPhoneでの配置を決め、同期。
最初は、たやすく考えていた。面倒は面倒だけれど、ただ、待っていればいいだけだと。ところが…。
転送の途中で、なぜか勝手に(!)同期がキャンセルされてしまうのだ。
そのたびごとに、はじめから、転送アプリを選びなおして、同期開始。しかし、幾つか同期すると、またもや勝手にキャンセル。
その繰り返し。いやはやこれが本当に疲れた。
十数度目かのキャンセル時には、「いったい何なんだ!」と、怒鳴りたくなった。iTunesの、あまりの使いにくさに辟易し、僕は、残りが20個程度になった時点で、同期を放棄した。
対象のアプリを、全てiPhone本体だけで再度インストールする形にしたら、うまくいった。多少時間は掛かったものの、イライラはなくなったので、思えば、最初からその方法で進めていればよかったと思う。
…ようやく、元の状態に近い形まで復元。
気がつけば、日はどっぷり暮れていた。気がつけば、なんだかんだで夕方から深夜まで、僕はこの作業に追われていたのだ。
ただ、これはあくまで一時的な作業の疲れなので、その後が快適ならば、悪い夢だと思って忘れることもできた。
しかし、僕にはどうにも快適と言えなかった。
翌日曜日も、各種アプリの再認証や設定作業などで疲れてしまったし、iOS 9の操作性変更に戸惑うことも多々。心なしか、動作も重くなったように思える。OSアップグレードによるメリットは、皆無とさえ思えた。
さらに…。
バッテリが全くもたない!のが致命的だった。バッテリが異常だということで、本体交換に踏み切ったのに、バッテリが全くもたないのでは、いったい何のための本体交換だったのか。
僕は、ほとほと疲れて、大きく溜息をついた。そして、その後、更に衝撃的な事実も発覚し、愕然。本体交換する前は、最高に便利に使えていたものが、使えなくなってしまったのだ。
それは、僕にとって一番大切な、この小部屋に関わってくるものだった。
(以下、続く。)