悩んでいる。iPhoneの新モデルが正式発表になって以降、ずっと。
昨日のエントリーでは、「新モデルを狙っている人には、嬉しく、そして悩ましい秋になりそうだ。」などと、他人事のように書いたのだけれど、誰よりも自分が悩んでいるんじゃないかとさえ思う。
最近のau版iPhone 5には、不満だらけだったからだ。
ちょうど1年前。僕はSoftBank版のiPhone 4からau版のiPhone 5にMNPをした。当初、SoftBankのネットワークには不満を覚えていたので、最初はこれが正解だと思った。実際、その頃にはこんなエントリーも書いている。
この時は、3回に分けてのエントリーで「繋がる!幸せ」「速い!幸せ」「テザリングできる!幸せ」と書き、SoftBankから乗り換えて良かったと綴っている。
実際、あの時は本当に快適だったのだ。
今から思えば、当時はまだ、au版のiPhoneユーザーが少なかったから快適だっただけで、その後加速度的に増えたユーザーに、対応できずにパンクしているというのが現状なのだろう。
あの頃、自分が書いたエントリーを読むと、今では信じられないことが書いてある。
何より嬉しいのは、「繋がるまで」の時間が圧倒的に早くなったこと。(中略)使いたい時に、どこでも、「パッ」と繋がる幸せ。いったんこれを味わってしまうと、もう昔には戻れない。
これは、当時のSoftBank版iPhone 4との比較だが、現状のau版iPhone 5は、その当時のiPhone 4よりも酷いんじゃないかと思っている。
特に新宿や池袋の駅構内など、人が多数集まるところのネットワークは最悪。こういった場所では、時間つぶしをしたり調べ物をしたいケースが多いので、不便で仕方がない。
こんなことも書いていた。
まだまだ都内でも、3G接続になってしまうエリアが多いが、今後急速にエリア拡大が予告されており、2013年の3月末には、実人口カバー率96%にも達するという。「実人口カバー率」という表現が、僕には今一つ理解しにくく、エリアマップが公開されていない(と思う。)のは、今一つ不安なのだけれど、ここはauを信頼するしかない。
この信頼が大きな誤りだったorz
実人口カバー率96%というのが、iPhoneに関してはあてはまらず、消費者庁から景品表示法違反(優良誤認)で措置命令を受けたからだ。
僕は、この事実が発覚した時、怒り心頭になったけれど、後の祭り。悔しいけれど、わざわざSoftBankから乗り換えたのは僕の決断。だから耐えるしかない。
まさに「選んでかすを掴む」という思いで泣きたくなったが、SoftBankには戻りたくなかったし、iPhoneを使いたいなら、泣き寝入りするしかないかと諦めの心境だった。
しかし。
「iPhone 5S(5C)」では、auの潮目が大きく変わりそうだ。
新iPhoneは、auが最も注力してきたプラチナバンドの800MHz帯に対応するから、状況は激変。「一人勝ち」なんじゃないかという報道も、各所で見られるぐらいだ。
実際、こんな記事も出ている。
iPhone5s・5c 800MHz対応で笑いが止まらぬKDDI社長「見た目は同じ、中身が違う」:週アスPLUS
昨年(2012年7月)LTEの800MHzが使えるようになるより以前、もう2年も前から取り組んできましたから。
正直、iPhone5がプラチナバンド(800MHz)非対応だったので、2.1GHzだけだとソフトバンクさんに少し分があるのは否めない。しかし800MHz対応となれば、これはもう大逆転ですよ。ええ、勝ったと思います。
KDDIの社長に対して、僕はこれまで、人柄良く誠実、という印象を持っていた。
けれど、iPhone 5ユーザーとしての心境は複雑だ。
「iPhone 5がプラチナバンド(800MHz)非対応だったので、2.1GHzだけだとソフトバンクさんに少し分があるのは否めない。」とは、まさに正直な思いなのだろう。
しかし、iPhone 5の発売時には、そんなことはおくびにも出さず、それどころか優良誤認まがいの広告まで出して勧誘し続けていたのだから、罪は重い。正直、その笑顔が腹立たしくなってくる。
ただ、一方で田中社長はこんなことも言っている。
もし次のiPhoneが800MHz帯に対応するようなことがあり、使いたい人がいるのであれば、乗り換えやすい施策の提供を考えています。
プラチナバンドLTE対応についてKDDI田中社長が言及、iPhone 5からの乗り換え優遇も | BUZZAP!(バザップ!):
あくまで新モデルが発表になる前のものだけれど、公式的な場での発言だけに意味がある。
今回のiPhone 5S(5C)は、docomoからも発売されるため、docomoへのMNPも検討していたけれど、本当に優遇措置がとられるのであれば、auに残る方がよいかなぁと思っている。
ただ、本当に優遇されるのか、そしてそれが「乗り換えやすい」施策になっているのかどうかはわからない。
まだまだしばらく、悩ましい日々が続きそうだ。
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