時は1週間前に遡る。
いつものように僕は、仕事帰りに大手書店へ出かけた。
「SFマガジン」「ミステリマガジン」をゲットするためだ。
その日はかなり遅い時間になってしまったのだけれど、何とか発売日にゲットできて嬉しかった。毎月のことだけれど、この2誌が書店店頭で平積みになっている姿を見ると、それだけでワクワクする。
しかし、今月はそれ以上に興奮してしまった雑誌があった。
小説新潮だ。
表紙にドカンと「星新一」の名前。そして「単行本未収録 幻の初期作品公開」との惹句。驚いた。これは買わずにいられない。
星新一は、子供の頃から大好きで、1000篇以上あるショートショートは全て読んでいる。今でも時々読み返しているほど好きな作家なので、単行本未収録の作品が読めるとなれば、それだけで興奮してしまう。
この雑誌を買ったあと、こんなニュースを発見し、さらに驚いた。
生涯に1000作以上の掌編小説を創作し、ショートショートの神様と言われるSF作家・星新一(1926〜97年)の書籍未収録作が50編以上発掘された。
57年の商業誌デビュー前後に同人誌に載った幻の作品や、企業のPR誌、学習誌などに掲載されたまま埋もれていた作品だ。
星新一の書籍未収録作、50編以上見つかる : 文化 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
なんと、50篇以上も単行本未収録作品があったとは!
これらの作品は、8月末に新潮文庫から「つぎはぎプラネット」というタイトルで刊行されるらしい。いやはやこれは楽しみだ。
未収録作品を発掘した高井信氏の話によれば、「発表後、別作品に書き直したり、気に入らなかったりして本に入れなかったのでは」とのことなので、星先生が存命であれば、きっと出版されなかった本だ。
その経緯を考えると、ちょっと気持ちが複雑ではあるけれど、やっぱりそれでも読んでみたい。
前述「小説新潮」に載った「ミラーボール」も収録されるようだから、まずはこの作品から堪能させていただこう。
「小説新潮」では、星新一作品掲載にあわせ、SF特集も掲載されている。
昨年秋の2012年11月号に続く特集だ。前回は、同誌として「21世紀に入ってから初めて」のSF特集だったのに、それから1年も経たずに再度SF特集が掲載。
前回の特集がきっと好評だったのだろう。SFファンとしては、とても嬉しい。
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