餃子ランナーは電子機器の夢を見るか?

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間一髪で間に合って得た「筒井康隆さんへの質問状」イベントの超至福(後編)

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(承前)
開演時刻。午後3時。
司会者による簡単な挨拶が終わると、万雷の拍手の中、筒井先生が登場された。
あぁ、また憧れ筒井さんを生で拝見させていただくことができる!お話を聞かせていただくことができる!僕は興奮で胸が震えた。「現代語裏辞典ライブ」のイベント以来、約2年半ぶりの感動だ。
受講内容は撮影・録音が一切禁止だったため、この感動を、画像や動画などでリアルにお伝えすることはできない。しかし、メモ書きは自由だった(皆、真剣にメモをとっていた)ので、走り書きしたメモをもとに、書かせていただく。
僕は、筒井さんの言葉を、一言一句聞き逃すまいと思っていたので、メモも全ては書き切れなかったから、ほんの断片になってしまうし、若干記憶違いがあるかもしれないけれど、感動の一部でも伝えられればと思う。
今回の講演名は「筒井康隆さんへの質問状」。そのタイトル通り、前半は、筒井さんへの質問にお答えしていただくという形だった。
参加者からFAXで寄せられた質問は30通。時間的に、その全てには回答できないということで、筒井さんが、自ら10通程度をピックアップされたとのこと。
流石にコアなツツイストが揃うイベントへの質問だけあって、その質問レベルが高い。筒井さんも感服されていた。
聖痕」出版記念のイベントということもあり、「聖痕」に関わる質問が多く、そのどれもが非常に興味深かった。そしてそれに丁寧にお答えいただく筒井さんのご回答がこれまた素晴らしかった。あぁ、僕はまだ「聖痕」のことをよくわかっていなかったんだなぁと思うこと多々。

  • 古語らしく見えても、注釈のないものは全て筒井さんの創作。ニセ古語。
  • モノローグ、カギ括弧のない会話、視点の移動などを、全て同じ段落内で書くことにこだわった
  • 筒井伸輔さん*1の挿画は、正確に言うと抽象画ではない。「具象と抽象の間」になる。

などなど。
新聞連載時と単行本の内容が一部異なる理由や、変更点などについてもお話いただいた。僕は連載時の切り抜きを全て保有しているので、今度じっくり読み比べてみようと思う。
その他、筒井さんが一番好きな小説は?という質問に対して、「同時代ゲーム」(大江健三郎)をあげられていたのが印象的。僕はまだ未読の本だ。とても難しい小説のようだけれど、第一章を乗り越えればとても面白いとのことなので、今度チャレンジしてみようと思う。
その他、「村上春樹の新作はなぜ売れるんですか?」と言った、ちょっと場違い(?)な質問もあった。それに対する筒井さんの質問のお答えは、「全くわからない」とのこと。会場爆笑。うん。確かに僕もわからない。
個人的には、「(大作家となった)今でも、先生と呼ばれることはお嫌いですか」という質問が興味深かった。これは、筒井康隆症候群繋がりの、僕の盟友、かんぱちさんが質問されたものだった。確かに、僕もこれは気になっていたのだ。
筒井さんのお答えは、若手編集者たちが「筒井……さん*2」と呼ぶのが可哀想なので、今では「筒井先生」という呼び方を解禁しているとのことだった。
そして。
質問が終わると、サプライズが待っていた。「コントの書き方を教えてください」という質問があったことを受け、なんと、その実践編として、筒井さんが、新作コントの生朗読を!してくださったのである。しかも2本。
「絵の教室」「知床岬」という、その2本のコントを僕は一生忘れることはないだろう。「知床岬」は、あの「知床旅情」の歌詞をテーマにしたコントなのだけれど、作品中では、筒井さんによる生歌の「知床旅情」が聞けるという感動!
素晴らしいバリトンの歌声が、会場内に響いた。コントの内容も申し分なく、爆笑の連続。いやはや、本当に、この感動をそのまま伝えることができないのが、とてもつらい。いつかCDなどで発売にならないかなぁと思う。
20130615_筒井先生イベント3
講演会後の情景。
聖痕
会場で買ったサイン本。
聖痕」はもちろん既に持っているのだけれど、サイン本となればまた別。愛蔵版として残しておこうと思う。
いやはや本当に夢のような時間だった。しかし、夢はこれで終わらなかったのだ。
(以下、続く)

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*1:筒井康隆先生の御子息。

*2:かなりためらい、恐縮して


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