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それは来年に繋がる襷。中央大学、復路「幻の区間賞」に胸が熱くなる

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(承前)
茫然自失から一晩経った朝。
僕は、各種報道で中央大学棄権の理由を知った。

名門の偉大な歴史が悲劇とともに途切れた。
箱根山中に吹いた強烈な向かい風が、必死に上位に順位を上げようとした5区・野脇勇志(4年)に襲いかかった。18位でタスキを受けると、一時は15位まで順位を上げた。だが、冷たい風に体温を奪われ、低体温症に陥った。19キロ地点の最高点を過ぎると、突然ペースダウン。何度か転倒を繰り返した。
浦田春生駅伝監督(50)が給水で状態を確認した21・7キロ地点。一時は大丈夫と判断して車に戻ろうとした直後だ。沿道のファンが「倒れた!」と声をかけた。ひざを強打した野脇の意識が遠のいていた。
名門・中大棄権!29年連続シードならず…箱根駅伝

そんなに酷い状態だったのか…。
棄権になってしまう程だから、相当なダメージがあったのだろうと想像はしていたが、まさに極限状態だったようだ。これでは棄権もやむを得ない。
28年間繋がった伝統の襷が途切れてしまうのは本当に哀しかったが、部外者である僕なんかの思いよりも、復路を走る筈だった選手が受けた心の痛手は、遙かに大きかったろう。
もちろん、復路も走ることはできるのだけれど、全ての成績が残らない「参考記録」という形での走りになってしまう。
箱根駅伝は、言うまでもなく「優勝」「上位入賞」「シード権」などを意識した戦い。チームとしては厳しくとも、個人記録として、せめてもの「一矢」を報いる形もある。しかし、それらを全て失って、ただ走れと言われても…モチベーションを保つのは、相当厳しいと思う。
しかし、中央大学の選手たちは、僕が思っているほど「やわ」じゃなかった。
6区。山下り。エース代田修平。ここでいきなり見せてくれた。


記録速報(6区小田原中継所:個人記録)|第89回箱根駅伝|日本テレビ

区間賞の千葉健太(日体大)とは46秒差。区間3位の好記録だ。
日体大と明治は、総合優勝がかかる立場で、お互いを意識しながら勝負できているのだから、そのモチベーションは代田と比べものにならない。
それでいて、区間3位に入れるのだから、これは立派だと思う。
そして。


記録速報(8区戸塚中継所:個人記録)|第89回箱根駅伝|日本テレビ

8区。永井秀篤。
ここで区間賞を獲得した高橋宗司(青山学院大学)より、なんと36秒も早いタイムで快走。いやはや素晴らしいではないか。
復路トータルでは5時間41分19秒で、実質12位に過ぎないが、例えばシード権などの目標があれば、代田や永井の走りのみならず、他3人の走りも違っていた筈で、単純に「結局ダメだった」とは言えないと思う。
勝負にタラレバは禁物だから、いくら代田や永井の走りが光っても、それはあくまで参考記録であり、幻の区間賞、幻の区間3位であることにかわりはない。ただ、この2人はまだ来年もあるし、今年復路で繋いだ襷は、きっと来年にも繋がっていくと、僕は信じている。
予選会からの参加は厳しいが、ここで復活してこそ、箱根駅伝の古豪中大。
何とかその底力を見せて欲しいと願うばかりだ。
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