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ナタリー・ポートマンの壮絶演技に釘付けだった「ブラック・スワン」の110分

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圧巻。

アカデミー賞主演女優賞を始め、各種の賞を総なめにした演技はダテじゃない。
この映画は、ナタリー・ポートマンのナタリー・ポートマンによるナタリー・ポートマンのための映画だ。まさに、彼女の女優人生にとって、集大成とも言えるべき作品に仕上がっていると思う。
ただ、正直に言うと、映画館で予告編を最初に見た時は、それほど惹かれなかった。

僕は、バレエには全く興味がないし、サイコスリラーっぽい映画もそれほど好きじゃない。
だから見送り予定だった。しかし、アカデミー賞の主演女優賞で心が動き、さらに、レビューサイトとしていつも信頼しているここでの評価が抜群に高いこともあり、意を決して見に行った。
見に行って良かった。
ナタリー・ポートマンが演じるのは、ニューヨーク・シティ・バレエ団に属するニナ。現実のナタリーさながらの優等生的な役柄で、バレエシーンも見事。『白鳥の湖』のプリマは適役だと思った。
しかし、芸術監督ルロイ(ヴァンサン・カッセル)の演出は過酷。『白鳥の湖』においては、純粋な白鳥と邪悪な黒鳥の2役を演じなければいけないのだ。ニナは、純粋な白鳥は完璧に演じられても、邪悪な黒鳥を演じることができず、そんな時、奔放な性格を生かして邪悪な黒鳥を躍るリリー(ミラ・クニス)がニナに接近してきて…。
いやはや壮絶だった。
何と言っても、途中のとあるきっかけを境に大きな変貌を遂げるナタリー・ポートマンの演技が素晴らしい。綺麗なだけの、美しいだけのナタリーではなく、あっ、と驚くようなシーンもある。+15指定はダテじゃない。
脚本は、全てニナを中心として描かれ、その心理が破綻していく過程を鮮やかに描ききっている。ステージママであるエリカ(バーバラ・ハーシー)や、元プリマのベス(ウィノナ・ライダー)との絡み方も見事。
サイコスリラーとしては、それほど捻りがある作品ではないけれど、ナタリー・ポートマンの演技が凄すぎて、のめり込まずにいられない。今年見た映画の中では、「英国王のスピーチ」「キック・アス」と並んで、個人的にはベスト級だ。
おすすめ。


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