餃子ランナーは電子機器の夢を見るか?

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究極のひとりぼっち。「リミット」90分間の独演に釘付け

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オープニングロール明けから、度肝を抜かれた。

いきなり画面が真っ暗になり、しかも静寂が続く。
あまりにもそれが長いので、僕は一瞬、トラブルではないかと思った。しかし、もちろんそうではなく、これは、主人公のポール・コンロイが箱の中で覚醒する瞬間だった。
土中に埋められた、棺桶のような狭い箱。光は入らないので、当然の如く真っ暗闇。その中に、たったひとりで閉じ込められてしまったポール。なぜそんな状況になったのか、そしてその場所がどこなのかについても全く分からない。僕だったら、この時点で気が狂いそうだ。
箱の中にあったオイルライターをつけた瞬間、辛うじて映画の中でもポールの顔が浮かび上がる。ポールと「箱の外」を繋ぐ鍵は、1台の携帯電話。BlackBerry。なんと、電波が繋がる。しかし、バッテリは半分程度しか残っておらず、しかも、ポール自身の電話ではない。言語もアラビア語だ。
ポールは、ありったけの記憶と知恵を振り絞って、各所に電話をかけまくる。通話ができるのであれば、簡単に解決するのでは…と思いきや、そんな甘い状況ではなかった。ここから先はネタバレになるのであまり書けないが、「ポールの置かれた状況」と「外界」との温度差があまりにも大きいために、ポールはどんどん追い詰められていく。
途中、やたらと「Fuck you」というセリフばかり叫ぶので、ちょっとガラが悪いなぁと感じたのだけれど、ポールの心理にたってみれば、やむを得ない叫びだったのではないかとも思う。
それにしても凄いのは、90分間、たったひとりでこの映画をもたせてしまったことだ。しかし、そのストーリーは絶妙だし、主演である*1ライアン・レイノルズの熱演は素晴らしい。
物語はリアルタイムで進行し、その間、BlackBerryのバッテリは刻々と減り、酸素も尽きていく。ストーリーの途中からは、別の苦難も加わる。そんな中、ありとあらゆる頭脳を駆使したポールの運命は…。
これほど行き詰まる映画を見たのは初めてかも知れない。まさに究極のロンリーサスペンス映画だ。個人的には気に入ったけれど、閉所恐怖症や、映画に楽しさを求める人は避けた方がいいと思う。

映画自体は気に入ったのだけれど、このパンフレットは酷い。たった12ページしかないのに600円とは、ボッタクリにもほどがある。
登場人物は1人だし、ストーリー的にパンフを膨らましようがないという事情はあるのだろうけれど、もう少し安くできなかったものだろうか。
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*1:というか、電話以外の登場人物は1人しかいないのだけれど。


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