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戦争の怖さと切なさが染み渡る「マイ・ブラザー」

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ちょうど1週間前の夜に鑑賞。

僕が映画を好きな理由のひとつは、非日常に浸れるところ。
出来る限り、日常を忘れさせてくれるような映画がいい。それも洋画。普段、僕は英語を聞く機会が殆どないため、個人的な非日常感が高まる。特に好きなジャンルは、SFパニック系。「あり得ないだろ」と思いながら、破天荒な世界に没頭できるからだ。
この映画は、家族愛がテーマとなっているため、日常と結びつけて色々なことを考えてしまいそうなので、最初は見に行く予定ではなかった。しかし諸々の理由から、ふと思い立ち、平日の夜、仕事を終えたあとに鑑賞した。
結果、見に行って良かった。シンプルなテーマながら、心に染み渡る作品だったからだ。
確かに、「夫婦愛」「兄弟愛」を中心に描いた映画ではあるけれど、一方で、これは、戦争映画でもあった。物語は、優等生であり海兵隊の兄サム(トビー・マグワイア)が、刑務所に服役していた弟トミー(ジェイク・ギレンホール)の出所を出迎えるシーンから始まる。
賢兄愚弟。
トミーは誰からも見放されていた札付きだが、唯一兄のサムだけは、腹を割って話せる存在だった。兄のサムには、美しい妻のグレース(ナタリー・ポートマン)と娘が2人。サムの家族さえも、トミーを疎ましがっていたのだ。
トミーが出所してほどなく、サムがアフガンの戦地へ赴く日がやってきた。そして、グレースのもとに届いたサムの訃報…。
ここから物語は急転する。
サムは九死に一生を得ており、この事実だけを書くと、ハッピーエンドのようにも思えるのだけれど、そうではなかった。サムの心に戦争の傷痕が残り、それはやがて、夫婦愛、兄弟愛をも破壊していく。サム、トミー、グレース。それぞれの立場に降りかかるさまざまな思い。3人の名優たちは、実に細やかな心の機微を演じており、非常に見応えがあった。
見終わってあらためて思ったことは、戦争の怖さだった。戦争は、今も世界各地で起こっているけれど、紛れもなく「非日常」である筈だ。しかし、そんな「非日常」のインパクトがあまりに強すぎると、いざ家族のもとに戻っても、簡単に「日常」には戻れないケースがあり得る。
この映画は、そんな戦争の怖さを、身にしみて感じさせる佳作だ。

映画『マイ・ブラザー』公式サイト


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