餃子ランナーは電子機器の夢を見るか?

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夢か現か幻か。めくるめく「インセプション」ワールドに酔いしれる

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週末に鑑賞。

未だに僕はその余韻に酔いしれている。これは素晴らしい映画だ。
難解な部分も多いので、正直全てを理解できている自信がない。しかし、それでもこの映画がパワフルな作品であることは断言する。
「他人の夢に入り込む」という特殊な設定なので、SFファンか否かで賛否が分かれそうな気もするが、ひとたびその設定を納得できてしまえば、グイグイ引き込まれる。それほどのパワーを持った作品。以下は、ネタバレに気をつけながら駄文をつらつらと。
正直に言うと、最初の10分は、何が何だかよくわからなかった。細かい説明が全くないまま、二転三転の展開が繰り広げられるからだ。「???」の連続。
しかし、物語が進むにつれ、その謎はおぼろげながら明らかになっていく。ポスターに登場している6人が揃ってからは、ミッションの目的が明確となり、その目的だけを考えれば単純でわかりやすい*1
ちなみに、パンフレットに基づく6人の役回りは以下の通り。

  • 抜き取り屋:コブ(レオナルド・ディカプリオ)
  • ポイントマン:アーサー(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット)
  • 設計士:アリアドネ(エレン・ペイジ)
  • 偽造士:イームス(トム・ハーディー)
  • 調合士:ユスフ(ディリープ・ラオ)
  • 観光客:サイトー(渡辺謙)

「偽造士」とか「調合士」おまけに「観光客」って何だ?と思われるかも知れないが、全てが「夢」に関わることである以外の説明は省こう。この映画の楽しみを殺いでしまうからだ。
この6人に与えられたミッション*2は、他人の夢に入り込んで、とあるアイデアを「植え付ける」という仕事。それが“インセプション”なのである。
夢の世界に入り込むというだけでも非現実的なのに、この映画はそこにとどまらない。夢のまた夢(第2階層)、そのまた夢(第3階層)、そのまた…。などという形で多層的に広がっていくのだ。
下の階層に降りれば降りるほど、その世界は不安定になる。そして、下の世界に行けばいくほど、現実世界との乖離が広がっていく。最大の相違点は「時間」*3で、夢と現実の間、あるいは夢の階層毎に《合理的なルール》を設けている。その設定が見事。
よく考えると、そのルールには根拠も何もないのだけれど、そう言うものなのだ、と思わされてしまうところが、この映画のパワーだ。
前述6人以外の登場人物としては、“インセプション”されてしまう、御曹司役のロバート・フィッシャー(キリアン・マーフィー)と、この映画の鍵を握る、コブの妻モル(マリオン・コティヤール)。
この映画はインセプションのターゲットとなる、フィッシャーとの戦いであるとともに、モルとの戦いでもある。そして、実は後者の方が壮絶。なぜ、このミッションとコブの妻が関係しているのかについては、ネタバレにもなるので、説明しにくい。気になる方は、是非映画をご覧になって確かめていただきたいと思う。


パンフレットは、非常に渋い。カラーも豊富で内容充実。買って損はないと思う。
登場人物たちは誰も彼もがとても魅力的。レオナルド・ディカプリオ、渡辺謙の凄さは言うまでもないが、個人的には、先日見た「(500)日のサマー」と全く違った役柄設定ながら、きっちりハマっていたジョゼフ・ゴードン=レヴィットの演技が気に入った。

*1:しかし、それを達成するための手法は複雑極まりない。

*2:正確に言うと「観光客」を除いた5人に与えられたミッション。ただ、「観光客」も仕事はする(謎

*3:もっと具体的に違いを説明した方がわかりやすいのだけれど、ネタバレになるので、この表現がギリギリ(汗


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