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「SFマガジン」&「ミステリマガジン」2010年8月号

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ご紹介が遅くなってしまったけれど、もちろん発売直後に入手済。


「SFマガジン」&「ミステリマガジン」(早川書房)2010年8月号

今月は何と言ってもSFマガジン。表紙に並んだ【浅倉久志訳】の華麗なる小説群に、胸を打たれずにはいられない。
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」「タイタンの幼女」「メデューサとの出会い」「宇宙船ビーグル号」「たったひとつの冴えたやりかた」「ヴァーミリオン・サンズ」「九百人のお祖母さん」…。まさに、SF史に残る名作の数々。圧巻だ。
浅倉氏の存在なしでも、これらの作品は存在していた。しかし、【浅倉久志訳】じゃなければ、あれだけの輝きを持って、日本人の胸に届くことはなかったのではないか。翻訳家浅倉久志は、名翻訳家であるのは言うまでもなく、名作SFの伝道者だったのだ。僕はそう確信している。
SFマガジンの追悼特集では、選りすぐりの翻訳5篇、追悼エッセイ7篇、そして浅倉氏本人(!)*1による全翻訳作品リストを掲載している。

  • 「信号手」 キース・ロバーツ
  • 「田園の女王」 R・A・ラファティ
  • 「ドローデの方程式」 リチャード・グラント
  • 「このあらしの瞬間」 ロジャー・ゼラズニイ
  • 「自転車の修繕」 ジェローム・K・ジェローム
  • 追悼エッセイ 伊藤典夫/森 優(南山 宏)/鏡 明/高橋良平
  • 追悼エッセイ&掲載作品解説 大森 望/中村 融/山岸 真
  • 浅倉久志全翻訳作品リスト 浅倉久志=編

渾身の特集で、実に感慨深いのだけれど、もう「浅倉久志訳」の新作も、埋もれた海外SFの発掘も、それに付された味わい深いエッセイも、永遠に読めないのだと思うと、あらためて胸が痛む。
合掌。

*1:浅倉氏自身が記録していたノートをもとに作成。


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