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「マイレージ・マイライフ」

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邦題に拍手。

原題の「UP IN THE AIR」は、深い意味を持っている*1ようなのだけれど、日本人にはちょっと伝わりにくいと思う。
原題を全く無視し、しかし、映画の内容を完璧に表現したかのように思える邦題に酔いしれながら、僕は109分のコンパクトな佳作を堪能した。以下は例によって、感想をつらつらと。ネタバレには気をつけているつもりだけれど、無心で楽しみたい人はスルー推奨。
なんと言っても、ジョージ・クルーニー、格好いい!これに尽きる映画だ。1961年生まれだから、既に50歳近いのだけれど、男の魅力に溢れている。
この映画では、意識的に独身を貫く役柄を演じているが、私生活同様*2、全く違和感がない。それもまた人生、という感じで、素晴らしい。
「リストラ宣告人」として、1年のうち、322日も(!)全米を飛び回っているという設定が凄い。まさに「マイレージ」が「マイライフ」となっている人生と言える。
さまざまな会社の身も知らぬ社員たちに、次々とリストラを宣告していく職業というのは、相当精神的に応える筈だ。罵倒や非難、愚痴など、あらゆる反撃を一手に引き受けなければいけない。
しかし、主人公であるライアン・ビンガム(ジョージ・クルーニー)はそれを淡々とクールにこなしていく。もちろん、精神的な疲れは言うまでもないけれど、その癒しは「家庭」ではなく、まさに旅そのものの中で得ていく。1年に322日も出張に出ていたら、家庭なんか成り立たないし、旅先での絶大なステータスを生かして、アバンチュール*3を謳歌して行く方が楽しいだろう。そういった生活が続いているうちは、全く問題はなかった。自分の人生に疑問を感じている暇などないからだ。
しかし、とある新人女性の入社をきっかけに、主人公ライアン・ビンガムの「マイレージ」「マイライフ」に大きな転機が訪れる。全てが絶妙のサイクルで回っていた人生が崩れた時、彼のとった行動は。
…立場によっては、色々と身につまされる人も多い筈の映画だ。ちょっとショッキングな部分もあるが、救いもある。大人向きの映画だと思う。
ここから先は、映画本編の楽しみを殺ぐので書かずにおこう。短い映画なので、もしも気になる方がいれば、映画館やメディア*4で、楽しんでいただきたい。

(補記)
全米のあちこちの空港、街が堪能できるので、アメリカ好き、飛行機好きの人は、そういった意味でも楽しめるかもしれない。僕はそれが結構嬉しかった。

*1:文字通り「空に浮かんで」という意味と、隠喩の「まだ未定、定まらない」という意味のダブルミーニング。

*2:1989年に女優のタリア・バルサムと結婚しているが、1993年に離婚。以降は独身を貫き、数多くの女優と浮名を流している。

*3:死語か?w

*4:公開されたばかりなので、メディア化されるのは、まだかなり先になると思うけれど。


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