餃子ランナーは電子機器の夢を見るか?

ランと餃子とデジタルガジェット。ときどき、映画や雑誌の話。言いたいことを言い捨てるブログ。

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浅倉久志先生、ご逝去…。

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言葉が、ない。
僕がSFに出会った時から、その名前は輝いていた。フィリップ・K・ディック、カート・ヴォネガット、ジェイムズ・ティプトリー・Jr…。浅倉先生が訳された作家たちの名作群が脳裏に甦る。
大家の長編ばかりでなく、数々の名短編や、隠れた掌編を紹介・発掘してくださったことも印象深い。世界ユーモアSF傑作選やユ−モア・スケッチ傑作展、SFマガジン・ベストなどなど、素晴らしいアンソロジーを、実に堪能させていただいた。
浅倉先生がご紹介される本であれば、安心して読める。絶対の信頼感を持っていた。近年のSFマガジンでも、「浅倉久志セレクション」という素晴らしい連載企画があり、僕はそれを本当に楽しみにしていたことを思い出す。
70代を過ぎても、非常に精力的な活動を続けておられて、とても元気な印象があった。それなのに…。
Twitterで飛浩隆先生が仰っていたが、昨年11月発売の「SFマガジン」に書かれていた近況を読んで、僕も不安を覚えていた。今あらためて読み返すと、ほんの単文なのに、涙なくしては読めない。

今、ベッドの上に仰向きで、依頼された記念エッセイをどう書こうか考えています。長年、SFマガジンに寄稿させてもらっていますが、このような悩みは初めてです。書くことが頭に浮かんできません。疲れのせいだとは思いますが、どうかお許しください。新しい年には元気をとりもどして、皆様のお目にかかりたいと思います。
「SFマガジン」2010年1月特大号〜「今月の執筆者紹介」欄(近況)より

結局、この特大号に浅倉先生の記念エッセイが載ることはなく、そして…。
いまはただ、数々の偉大な翻訳作品群に敬意を表しつつ、ご冥福をお祈りさせていただくしかない。合掌。


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