餃子ランナーは電子機器の夢を見るか?

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日本航空から掛かってきた2本の電話

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(承前)
待ち侘びていた電話は、昨日の朝一番で掛かってきた。INFOBARに表示されたのは、見かけない電話番号だったけれど、僕はすぐに飛びついて出た。0476で始まっていて、それが成田市の市外局番であることを知っていたからだ。
はたしてそれは、日本航空手荷物サービスセンターからの電話だった。
昨日あそこまで懇願して、継続調査をお願いし、翌朝すぐの電話なのだから、これは吉報に違いない。僕はハヤる心を抑えながら電話に飛びついた。やった、ついに僕のBBBが発見されたんだ。そう願いながら、聞き耳を立てた。
しかし、その結果は、僕の予想に反した物だった。
「お客様のお電話につきましては、昨晩、お席の周り等をくまなく捜索しましたが、やはり見つかりませんでした。」
いや、そのレベルの調査であれば、昨日の時点で既にわかっている。聞きたかったのは、そんな答えじゃない。そんな馬鹿な。頼む、嘘だと云ってくれ。
僕が僅かな望みを抱いていた、NYのラウンジに残存していたのでは…?という可能性も否定された。JFKにも、BBBの忘れものは届いていないと云う。
もうダメだ、絶望だ。僕はこの時点で既に諦めを抱いていたが、次に担当者が告げた一言が引っかかった。
「小さな携帯電話であれば、座席シートの奥深くに入り込んでしまう可能性もあり得ると思うんですが、BlackBerryですと、おそらく大きなものになりますから、それはないと思いますので…」
え?ということは、座席の奥深くまでは調べてもらってないってことなのか?
僕は、担当者があまりBBBのことを理解できていないようでしたので、勢い込んで、こう告げた。
「いや、普通の携帯よりは少し大きめかもしれませんけれど、薄いですし、入り込んでしまう可能性だってゼロじゃないと思います。そういった点も含めてもう一度調査をしてもらえませんでしょうか」と。
加えて、もう一つ、その時に思い出した記憶を伝えた。
「そう言えば、機内でカーディガンを借りたんですが、そのポケットに残っている可能性があります。機内で電源オフにした際に、ポケットに入れた可能性が。リネン業者もあたってもらえませんでしょうか」と。
担当者は、確かにそれは考えられるかもしれないということで、再度調査を継続してくれることになった。最初は重たいトーンでの会話だったけれど、救いが考えられるということで、担当者の声も、少し、希望が持てるものに変わった気がした。
2本目の電話は夕刻に掛かってきた。
僕は今回も飛びついて出た。朝、再調査の依頼をかけて、その日の夕方の電話だ。このタイミングならば、今度こそ吉報に違いない。そう信じた。祈った。
しかし、今度の電話も、やはり僕の期待を裏切るものだった。
「お客様からのご意見を踏まえまして、クリーニングの業者にも調査をかけてみたんですが、そちらでもBlackBerryは発見できませんでした。申し訳ございません。」
…。そうですか。
意気消沈していた僕に向けて、担当者は以下の言葉を続けた。
「お客様の乗った便は、その後、サンフランシスコに飛んでしまっておりましたため、そちらの空港で、忘れものが届いていないかについても、あらためて調査をいたします。ただ、可能性としては薄いかもしれません。」
おそらく、その通りなのだろう。既に機体が他方面へ循環してしまっている以上、徹底捜索なんて無理で、あとは、万が一の忘れもの報告に期待するしかない。そんなことで発見される可能性は、極めて薄い筈だ。
そう心では思いながらも、僕はやはりまだ諦めきれなかったので、引き続き、継続調査を依頼した。担当者も了解しましたとは云ってくれたものの、期待を持てる口ぶりではなかった。業務として行うことは行うが、あまり期待をされても…。というような、そんな雰囲気。
しかし、5ヶ月連れ添ってきたBBBへの思いを断ち切るには、まだもう少し時間が必要だ。まだ僕は冷静になれない。だから、もう1度だけ、日本航空からの電話を待ってみようと思う。吉報の可能性は極めて少なくても。もう1度だけ。


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