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映画ザ・ベスト300〜「Newsweek 日本版」2009年9/5増刊号

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圧巻。

表紙に輝く「完全保存版」の文字はダテじゃない。雑誌の増刊号扱いとなるため、書店などに並ぶ期間は限定されている筈なので、映画ファンはお見逃しなく。
現物を見ていただければ、その素晴らしさはすぐに伝わる筈で、僕などがウダウダ書くようなことではないのだけれど、蛇足で簡単にご紹介させていただこう。
この増刊号では、これまでのNewsweek誌に取り上げられた映画レビューや記事などから、選りすぐりの映画300本が紹介されている。流石、伝統の雑誌で長年好評を博してきたものから集められただけに、豪華絢爛の作品群が並んでいて、まさに壮観。何より素晴らしいのは、誌面の大半を占めるレビューだ。それぞれのレビューが、ひとつひとつ、実に魅惑的な輝きを放っている。
こういったレビュー集大成本は、えてして画一的な誌面構成となることが多く、かつ、提灯持ち風の記事が並んでいるようなものにもなりがちだ。
しかし、この増刊号は、違う。歯に衣着せぬ文体で、多種多彩な論評が繰り広げられており、レビューを読んでいるだけでも非常に愉しい。
そのイメージは、誌面の一部を見ていただくだけでも、わかる。

レビューは、1960年代から年代別に綴られていく。最初は「アパートの鍵貸します」の絶賛レビューから始まるので、ちょっと油断していたら…。

次のページでは、いきなり、名作と名高い「2001年宇宙の旅」の辛口レビューが掲載されている。
辛口レビューは、白抜き文字になっていて、かつ、ドクロマーク付きなのでわかりやすい。「2001年」以降も「ある愛の詩」「危険な情事」「ブラック・レイン」「めぐり逢えたら」「トップガン」「セブン」「ロスト・ワールド」等々、非常に多くの作品が、ズバッと叩き斬られている。「スター・ウォーズ エピソード1」などは、丸々1ページ割いての大酷評。
これらの映画がお好きな方には、もしかすると不快な思いをさせてしまうのかもしれないけれど、僕はそれほど嫌な気持ちにならなかった。文体が小気味よいこともあって、それほどイヤミにはなっていないと思うからだ。

もちろん、辛口レビューばかりではなく、こういった「熱い」激賞レビューも多数ある。
レビュー以外の記事も充実しており、実に読み応えのある130ページだ。780円という価格設定も、オールカラーで美しい誌面ということを考えれば、決して高くないと思う。
アクが強い内容だから、生粋の映画ファンにとっては、もしかすると不満が残る点もあるのかもしれない。ただ、これからどんな名作を見ようかと迷っているような(そう、僕のような)初心者映画ファンにとっては、大きな指針になる筈の1冊だ。オススメ。


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