餃子ランナーは電子機器の夢を見るか?

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前面フルキー端末受難の国?ニッポン

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日本のスマートフォン市場に、大きな転機をもたらした「あの」W-ZERO3の登場から3年。今や、パソコン系の雑誌は言うまでもなく、一般情報誌などでも、ごく自然にスマートフォンが取り上げられるようになった。
「先駆者」*1ウィルコムが牽引し、育んできた市場に、「都会生まれのじゃじゃ馬」イー・モバイルが、ハイスピードを武器に殴り込んできた。NTT docomoやSoftBankの新機種ラインナップにも、ごく普通にスマートフォンが加わるようになった。そして、ついに、あのauも重い腰を上げた。日本全体の携帯市場に占めるスマホの割合はまだまだ少ないけれど、一昔前に比べれば、大きな隆盛期を迎えていることは間違いない。
ただ、個人的には不満もある。最近のスマートフォン新端末は、どれもこれもがスライドQwerty系もしくはタッチパネルオンリーの2極化してしまっているからだ。これが僕にはどうにも納得できない。
「スライド系のQwertyキーは、入力面で便利そうだけれど、いちいちスライドさせて両手打ちするのが面倒」「そもそも電話をかける場合に不便」と思っている人も多い筈だ。そんなことをしてまで、携帯端末で長文を書く必要はないと。
そういった声が多かったからなのだろうか。W-ZERO3系列のスマートフォンは、2世代目(W-ZERO3[es])から、テンキー搭載のデュアルタイプになった。これはこれで便利なのだろうけれど、デュアル仕様でなくても、この問題は解決できる。
そう、前面フルキーの端末ならば、スライドさせる手間なく快適な入力操作が可能で、かつ、通話時の操作性も上がる*2のだ。まさに一石二鳥。ひとたび、このタイプに慣れてしまうと、テンキーでの入力など、煩わしくてやってられないと思えてしまうほどだ。
こんなに便利な前面フルキーというジャンルの端末が、現状、なぜ日本には根付いていないのだろう。その理由は、たったひとつだと僕は思っている。
「その素晴らしさを、携帯キャリアが伝え切れていない。」
ただ、それだけだと。
これまで発売された前面フルキーのスマホと言えば、E61(X01NK)とX02HTだけ。E61はSIMフリーだから(今の日本では)普及しにくいし、X01NKは基本的に法人専用。やっと一般向けにキャリアから登場したX02HTは、WM Standard端末ということで、ちょっとクセがある*3
個人的には、X01NKもX02HTも非常に気に入っているのだけれど、前面フルキー端末ブレイクのきっかけとはなりにくかったような気がする。
やっと大きな転機が訪れると思えたのは、docomoとSoftBankが、こぞってNOKIA E71を新機種ラインナップに加えた時だった。どちらの携帯キャリアも譲ることがなかったように、この端末は非常にインパクトが大きい。その薄さ、エレガントさ、質感。どれをとっても一級品で、これまでのスマートフォンとは一線を画しているとまで思えた。間違いなくヒットするぞ、そして前面フルキーの時代が来るぞ、と思えたのは束の間。突然、NOKIAは日本を去ってしまった。E71の日本発売を間近に控えた時期に。今でも僕はそのショックから抜け切れていない。
そして。
全世界的に名高いBlackBerryの新機種として、鳴り物入りで登場し、docomoの目玉機種になる筈だったBlackBerryBold。これが爆発的に売れれば、今度こそ、日本でも前面フルキーの波がやってくると思った。
しかし…結局こんな騒ぎで、発売一時停止に追い込まれてしまった。いずれは復活するとは思うけれど、最初にケチがついてしまったのは、あまりに痛い。
こういった事例が続くと、何だか、日本での前面フルキー端末を普及させないような、見えない力が働いているのではないかと思えてしまう。E71、BlackBerryBoldの2機種の例だけで、そんな結論を導き出すのはもちろん誤りなのだけれど、そう思ってしまうぐらい、とても残念な状況が続いている。
前面フルキーの素晴らしさは、一度使えば虜になる人は多い筈で、いつまでも日本市場に根付かない状態が続くのはあまりに惜しい。残念すぎる。BlackBerryBoldの早期販売再開を願うとともに、画期的な前面フルキーの端末が、今後登場してくれることを願ってやまない。

*1:W-ZERO3登場以前にも、Vodafone 702NKなどスマートフォンは存在していたけれど、日本でのブレイクスルーとなったのは、間違いなくW-ZERO3シリーズだと思う。

*2:Qwertyキー内に共存するテンキー部で直接キー入力ができる。アドレス帳をインクリメンタルサーチしてくれるのが超便利。

*3:少なくとも、W-ZERO3シリーズでのWM操作に慣れた人たちにとっては、戸惑いが大きいのではないかと思う。


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