餃子ランナーは電子機器の夢を見るか?

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チェンジリング 

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痺れた。
サスペンスとしても、人間ドラマとしても、超一級品の名作。監督クリント・イーストウッドの才能、女優アンジェリーナ・ジョリーの才能に、痺れまくった142分だった。
こういった素晴らしい作品に出会うと、「やっぱり映画っていいなぁ。」と改めて思う。予告編や公式サイトを見て、少しでも興味を持った人には、是非とも本編の観賞をお薦めしたい。断片的なストーリーだけでは、この映画の素晴らしさは、決して伝わらないだろうと思うから。
『チェンジリング』公式サイト

以下は、個人的な感想を含めた、蛇足のネタバレ感想。観賞予定の方は御注意を。(スルー推奨)
実を言うと、はじめてその予告編を見た時の印象は、それほど良くなかった。行方不明になった息子が別人にすり替わって帰ってきたというストーリーが、あまりに突飛に思えたからだ。母親じゃなかろうといくらでも回りが気がつくだろ、あり得ない。とまで思った。
ただ、さまざまな映画批評サイトでの評判が抜群なのに加え、いつも行く映画館でのポイントがたまって無料券が入手できたので、見に行くことにしたのだ。
結果、見に行って本当によかった。見逃していたら、大後悔したのではないかと思うぐらいの傑作だと思う。
「取り替え子事件なんてあり得ない」と思ったのは、僕の大いなる誤解だった。時は1928年のロサンゼルス。情報が溢れまくっている現代とは、時代背景があまりに違う。それに気がつかず、単純に考えてしまった自分が恥ずかしい。
この映画では、1928年へのタイムスリップを、冒頭から見事に再現し、完璧に描ききっている。
他人の子を無理矢理押しつけられる理不尽。欺瞞を正当化し、必至の訴えを拒絶する警察。挙げ句の果ては、精神病院への強制収容。腐敗化した警察権力による、到底信じられないような暴挙にも、必至で耐え、「真の」我が子が戻ってくることを信じ続けた母の強さには恐れ入る。アンジェリーナ・ジョリーの抑えた演技がとにかく素晴らしい。
後半。
この《取り替え子事件》に、もうひとつ、衝撃的な事件がクロスして、物語は急転する。そこからの展開が、実に凄まじく、僕はただただ、息を呑むばかりだった。特に、法廷シーンは圧巻。全体的には悲しいトーンの映画なのだけれど、あの部分は、胸がすく思いがした。
何度でも言おう。これは本当に傑作だ。監督、俳優、テーマに少しでも興味がある人なら、絶対に後悔しないと思う。超おススメ。

先週(おくりびと)に続いて、またしてもパンフは売り切れ。
この「チェンジリング」は、実話に基づく映画だけに、そういった時代背景が詳しく書かれているだろうパンフレットは、是非欲しかったのになぁ。とても残念だ。


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