餃子ランナーは電子機器の夢を見るか?

ランと餃子とデジタルガジェット。ときどき、映画や雑誌の話。言いたいことを言い捨てるブログ。

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おくりびと

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何年ぶりかで、日本映画を見た。

アカデミー賞外国語映画賞受賞の話題作だから、かなり混むだろうと予想はしていた。先週に引き続いて、近所の映画館が1000円dayとなっていたこともあり、安全のために、数日前からWebで座席予約していた。
ただ、この映画館はいつも全体的に空いていたし、他にもロードショー上映中の大作が集まっていたから、満員にはなるまいと思っていたのだけれど…。

いやはやなんと、明日まで含めて全ての回で満席というのだから恐れ入る。
明日は「映画の日かつ日曜日」だという理由があるにしても、こんなテロップ、今までは見たことがなかった。おそるべしアカデミー賞の底力だ。予約しておいて、本当に良かった。
で、その内容は…
(ネタバレは出来る限り回避させたつもりだけれど、純粋に観賞したいと思われている方はスルー推奨)
とにかく、素晴らしいの一言。泣いて、笑って、また泣いて。日本映画もたまには良いなぁと思ってしまった。
実を言うと、「死」がテーマと言うことで、観賞前は少し抵抗があった。いくらアカデミー賞の冠と高い評判を有していても、気持ちが重たくなるような作品は、ちょっとつらいなぁという思いがあった。
しかし、冒頭10分で、僕のそんな思いは払拭されてしまった。お葬式という重たいテーマを扱いながら、所々に上品な笑いの要素が散りばめられており、見ていて憂鬱になるということはなかった。
もちろん、テーマがテーマだけに、気持ちがしんみりするシーンも多数ある。実際僕も、恥ずかしながら何度も泣いた。しかし、それは決して、過度な演出でもたらされた涙ではなく、静謐な時の流れの中で、自然に落ちてくる涙だったと思う。
泣かせにこだわった作品ではない証拠に、場内で鼻をすする音が聞こえた一瞬後には、笑いがわき起こるようなシーンもあった。
主演の本木雅弘の演技は素晴らしかったが、それを固める脇役陣も素晴らしい。やはりというか何というか、山崎努は最高。いぶし銀の渋い演技に、時折コミカルな味わいが織り込まれていて、まさに絶妙の配役だ。
余貴美子や吉行和子、笹野高史といった面々も実に良かった。こういった映画レビューサイトの掲示板などでは酷評だらけ*1の広末涼子も、僕はそんなに悪いと思わなかった。
ストーリーとしては一本道で、意外性は少ないし、ちょっとご都合主義的な部分も感じられるのだけれど、そういったことを差し引いても、素晴らしい作品であることは間違いないと思う。
納棺師という難しいテーマに、真っ正面から真摯に取り組んで生まれた佳作。

観賞記念にパンフレットが欲しかったのだけれど、やはり売り切れだった。残念。

*1:「下手過ぎ」「浮きまくり」「広末を除けば全て良い」などの評価が頻繁に出てくる。


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