ウィルコムの新製品発表会が昨日であることは認識していたのだけれど、ソフトバンクからあのような発表があるとは思わなかったので、少し驚いた。相変わらず、やることが派手だなぁ。もちろん、ソフトバンクのことだから、一筋縄ではいかない裏がありそうな気がするが、そのインパクトは絶大だ。と、ソフトバンクのド派手な戦略については改めて書くとして…。
今回発表されたウィルコムの新製品は、かなり粒が揃っているように思う。携帯キャリア3社の端末に比べると、まだまだスペック等で大きく見劣りがするものの、これまでの新機種発表と比較すると、かなり華やかなラインナップになっている気がする。
ただ、今やウィルコムのひとつの「顔」である筈の、W-ZERO3シリーズについて、何の発表もされなかったのは寂しい。W-SIM対応の音声端末というところまで幅を広げても、9(nine)のマイナーバージョンアップのみだった。
今回の新機種の中では、コンパクトで薄く、クールなX PLATEに少し惹かれたのだけれど、W-SIM非搭載というだけでなく、ブラウジングもできないとあっては、購買欲が一気になくなってしまった。中国のPIMカード対応というのを魅力に感じるような人には便利なのだろうけれど、少なくとも、今の僕には不要だ。
料金面に関する発表がなかったのも残念だった。自社内通話定額(24時間)とメール送受信無料(他社携帯へのメールでもPCメール宛でも無料!)で、月額2,900円の【ウィルコム定額プラン】は、かなり頑張っていると思う。しかし、逆に言うと「どんなに使わなくても」2,900円かかってしまうというのが、辛い気がする。やっぱり、ホワイトプランの基本料金980円というインパクトはあまりにも大きいからだ。
ホワイトプランとウィルコム定額プランは、一見似ている。しかし、各種の縛りを破って使えば青天井になるホワイトプランと、完全定額のウィルコム定額プランでは、実は大きな違いがある。だから、その違いを訴える戦略は悪くないと思う。ただ、それだけでウィルコムが巻き返せるかとなると、少し僕は厳しいような気がしている。
「データ通信といえばウィルコム」の牙城を切り崩すイー・モバイルに対しては料金面での対応も図る意向で、データ通信の新しい料金プランを「近々発表する」
【マイコミジャーナル】
今回、最大の残念はこの部分。
「近々」などと言っている間に、イー・モバイルはどんどんカバーエリアを広げていってしまう筈だ。今回の発表は、あくまで音声端末中心の第一弾であるということで、データ通信系はこれから、ということはわかっているけれど、最近のユーザーはそこまで気長に待ってくれない。
回線スピードは、(現状)イー・モバイルと勝負にならないのだから、価格面でのテコ入れが早急に必要だと思う。何とかいち早く、次の発表がなされることを期待したい。