実に難解なレースである。
短距離王デュランダルがいない日本勢は、どの馬も一長一短で、
絶対の軸と呼べるような存在がいない。
加えて予想を困難にしているのが、香港勢の存在だ。
海外の馬が、その実績通りに走ってくれないのは、過去の歴史が
証明している。
18戦17勝2着1回などという馬が来日すれば、昔の日本だったら、
圧倒的人気になってもおかしくないところだ。
そのサイレントウイットネスを負かしたブリッシュラックともども、注目の
香港勢は、あくまで人気の1角という評価になっている。
何しろ、この原稿を書いている午前11時現在で、単勝5倍以下の馬は
おらず、5〜10倍の間に4頭がひしめき、12番人気のスイープトウショウで
さえ、18.3倍だなのだ。
先週の日本ダービーでは、2番人気のインティライミが19.5倍だったの
だから(これはこれで異常だが)驚くばかりである。
現時点での1番人気は、なんとダイワメジャー。
これには本当に驚いた。
馬はともかくとして、G1で大先生が1番人気になるとは。
まるで「安田記念は1番人気馬が来ない」というデータを後押しするために
1番人気を引き受けたかのようだ。
柴田善臣が過去勝っているG1のうち、4つまでが東京競馬場で、その中には
この安田記念も含まれている。*1
だから、全く可能性がないとは言わないが、年々大先生色を強めている
だけに、1番人気の重圧に耐えられるとはとても思えない。
馬は、何と言っても皐月賞馬であり、前走の鮮やかな復活劇を見れば
軽視はできないが、ここは押さえの一角にとどめる。
消極的本命はテレグノシス。
Aコースに戻り、内にグリーンベルトが出現したコースで17番枠というのは
かなり不利だが、東京であれば、最後はかならず差してこれると見た。
正直単勝としては絶対の信頼は置きにくいが、3連複、3連単の軸として
信じたい。
対抗はローエングリン。
前走のマイラーズCは鮮やかだった。
以前のように、ムキになって走ることがなくなり、スローでゆったりと折り合え
たことは、大きな収穫だ。
安田記念は、ここ2年連続して1番人気になったレースなのに、今年は、
非常に人気がない。
この馬を復活させるまで苦心を重ねた横山典弘が背中にいない分、対抗に
落としたが、かつての主戦後藤であれば悪くない。
後藤が、サイレントウイットネスを気にせず、ローエングリンの呼吸で走らせる
ことができれば、テレグノシス逆転のチャンスもある。対抗。
香港勢の中では、ブリッシュラックを1番手に。
日本の馬場に合うかどうかは未知数だが、ボーナス賞金がかかっている
だけに、陣営の気合いは相当な筈で、馬群の中を強引にでも割ってくると
考えた。
その他、武豊であれば軽視できないアドマイヤマックス、今年絶好調の福永に
変わって突き抜ける可能性も出てきたカンパニー、パドックを見るまでは
恐くて買えないダンスインザムードに加え、香港勢の残り2頭も無視はでき
ないので、直前まで悩みそうな気がする。
手広く買っても当たれば元の取れるレースなので、馬券としては、
◎○2頭軸の3連単マルチ54点買い+αで。
◎テレグノシス
○ローエングリン
▲ブリッシュラック
△ダイワメジャー
△アドマイヤマックス
△カンパニー
△アサクサデンエン
△ダンスインザムード
△サイレントウィットネス
△ボウマンズクロッシング
△バランスオブゲーム
*1:1993年ヤマニンゼファーで制覇