日本アイ・ビー・エム株式会社から、「ご購入製品の保証サービスに
関するご案内」というメールが届いた。
読んでいる内になんだかとても哀しくなってきたので、その哀しさを
少しでも薄めるために、ここに書き残しておこう。
すでに報道等で伝えられているように、IBMとLenovo(レノボ)社は、両社のPC
事業を統合した新会社を設立することで合意をし、現在、設立に向けた準備を
進めております。
日本における新会社の設立は本年第2四半期中を予定しております。
このことについては、確かに既に何度も報じられているし、分かり切った
ことではあるのだが、今改めて言われると、これがIBMからの最後通牒で
あるかのように感じる。
「日本における新会社の設立は本年第2四半期中」ということは、裏を
返せば、僕の好きだったThinkpadというブランドは、本年第1四半期をもって
幕を閉じるのだ。
お客様に長年ご愛顧いただきましたIBM PCの製品ブランドである「ThinkPad」
、「ThinkCentre」を始めとする「Thinkファミリー」のブランド名称は新会社
に継承されますが、新会社においても、IBMロゴをはじめとしたデザイン上の
変更はなく、これまでの製品開発体制をそのまま継承し、従来同様の厳しい品
質管理基準を用い,同じスタッフによる開発を進めてまいります。今後、「Thinkファミリー」は新会社の中核ブランドとして、これまでと変わ
ることなくテクノロジー、高いクオリティーを追求し、お客様へ最大限貢献で
きるよう進化し続けることをお約束いたします。新会社設立後も、これまでお
客様にご評価いただいてきたものを大切にし、テクノロジーと品質の追求によ
って、より高い価値をご提供すること、お客様にご満足いただけるサービスと
サポート体制を充実させていくことに注力してまいります。
上記の文章だけを抜粋してみると、全く隙がないようにも思える。
これが、もし、入試問題だとして、「この文意を50字で述べなさい」と
いう問題が出たとするなら、回答は以下のようになるだろう。
IBMPCの製品ブランド「Thinkファミリー」は、新会社移行後も、
同様のサービス・質を約束する。(49文字)
しかし、現実は、入試問題のように割り切って考えられない。
この文章に現れていない背景を考えてみると、そんな簡単には
まとめられないというのは明らかだからだ。
IBMがこれまで追い求めてきたサービスや質のレベルは、通常、
他メーカーが考えているようなレベルとは明らかに異なる。
高いコストをかけ、1ランク上のサービスレベル、クオリティを
維持してきた「Thinkファミリー」シリーズのコンセプトが、
あの中国企業に理解できるとは、僕にはとて思えない。
もちろん、現在はまだ日本アイ・ビー・エム株式会社のまま
だから何とでも言えるが、新会社後は、手のひらを返したように
大きく変質してしまうことは、目に見えてわかる。
それがわかりすぎるからこそ、どんなに「安心してくれ」という
文章を読まされても、逆に哀しくなってしまうのだ。
連日、起き続けている反日の暴動、そしてそれを本気で止めようとも
謝罪しようともしない国家。
その国家の中でも有数の有力企業であるLenovo(レノボ)。
そんな企業に呑み込まれてしまった、「ThinkPad」
考えれば考えるほど、暗くなってしまう。
嗚呼。